感情が不安定になる意外な原因とは?

感情に不安定な傾向が強まれば、安定した対人関係を維持する事は難しくなるでしょう。他者との間に円滑な対人関係を築いていくことは、社会生活を送る上での基本的な要素ですが、その土台にあるのが自分と親との関係です。

人は生まれてから、はじめて構築する人間関係が自分の世話をする親との関係です。乳幼児期のまだ物心がつく前の時期でも、自分が親から世話をしてもらえれば、笑顔になるものです。

 

その時、子供の心の中では親は「良い」存在になっています。反対に自分が親の世話を欲している時、それが無いと、親は「悪い」存在になってしまいます。

親は子供が泣くなどして、世話が必要なサインを示せば、適切に対処するでしょうが、時にはそれが子供にとっては十分ではないかもしれません。

 

その場合子供にとって親は時に「悪い」存在になりますが、時間と共に子供はそれを受け入れる事を覚えていきます。

 

しかし場合によってはそれに問題が生じる場合もあります。それが大人になってから物事を「良い」か「悪い」かの二者択一で見るルーツになることがあります。

他人には自分にはない良い面もあれば、悪い面も必ずあります。他人を「良い」か「悪い」かの二者択一で評価することはできませんが、他人には良い面だけでなく、悪い面がある事を受け入れないと、その人に対する感情がなかなか安定しないはずです。

 

この傾向が顕著になれば、パーソナリティ障害の中でも「境界性パーソナリティ障害」に該当する可能性も出てきます。

自分の「心の防衛機制」をはっきり意識する事は、自分の性格をこれまでとは違った角度から認識するヒントになるかも知れません。

また、自分を育ててくれた親が自分の心の中で、どのような位置をしめているかも時にしっかり考えてみたい命題かもしれません。

 

心の中には親の「良い」面ばかりではなく、「悪い」面も一緒にあるでしょうか? この二面性が心の中でしっかり統合されている事も、パーソナリティを健全に保つポイントのひとつです。