チャイムが鳴って教室に戻ると、いつもと違い明るい声が響いていた。



佑唯ちゃんのことを知っているのは私たち5人だけ。

小林の由依ちゃんが、教室と廊下を行き来しながら探している。
もんちゃんを見ると、泣きそうな顔をしていた。




理佐 「言ったほうがいいのかな?」



愛佳の耳元で言う。愛佳も10秒おきに開く教室のドアを見ていた。



愛佳 「ぽん...探してるよね」



愛佳が呟いた言葉が聞こえたのか、もんちゃんが不安そうな目をこっちに向けている。



「おいで」 と口の動きで伝えると、ゆっくりとこっちに来て、私の肩に頭をおいた。こんなもんちゃんめずらしい。



愛佳 「私が行こうか?」



廊下のほうをじっと見ているもんちゃんに愛佳が言うと、私の肩におでこをつけたまま首を横に振っている。


理佐 「一緒に行く?」


1人だと行きずらいかなと思って、3人で行く提案をした。

けど、もんちゃんは私から1歩離れて、首を振った。


鈴本 「言ってくる...」










『_ジジッ』



あー、なんとタイミングの悪い...







『全員戻られたようですね。では、これから結果発表を始めます。本日の確保人数は1名。
今泉佑唯さん です。残り人数は20名です。それでは、2日目も頑張ってください。  ジジッ__





佑唯ちゃんがいないことに気づいていなかったみんなはお互いを見回している。





小林 「ねぇ!どういうこと?ペア組んでたの誰?」


鈴本 「ゆいぽん...ごめん、」


小林 「鈴本?なんで?なんでずーみん死んでんだよ!!」


鈴本 「っ、ごめんなさい...」


小林 「許すわけないじゃん!」


理佐 「まって、」


小林 「黙っててくださいっ!」


理佐 「っ...」


愛佳 「もんたも守ろうとしたんだよっ」


小林 「でも死んだじゃないですか!!」


愛佳 「...」


鈴本 「ほんとにごめん...




泣いている鈴本の小さな背中をさする




理佐 「次は絶対守ってあげよう。」


小林 「次って...次なんかあるとは限らないのに」




そうだ。
次があるなんて保証ないんだ。

1人の仲間が死んだというのに、次があるなんて、生き返るなんて、なに軽く考えてたんだろう。



小林 「絶対...[助ける]選べよ?」


いつも以上に怖い口調でみんなを睨んだ。


スクールカースト。
こういうときのみんなの怯えている顔を見ると、少し、一軍で良かったなんて思ってしまう。

でも、このときだけは怖さより切なさを感じた。今泉佑唯ちゃんのことを本当に大事に思っているんだろう。









愛佳side



お昼も食べていなかったのに、あまりお腹がすいていなかった。

もう毎晩同じ味のハンバーグを食べているので、今日の夜ご飯はお茶漬けだけ食べた。








ピコンッ



“本日の鬼ごっこで確保された1名を助けますか?

         [助ける]        [助けない]    ”







愛佳 「ん」




危ない、忘れてた。
寝ようとしてたらいつものメールが届いた。




愛佳 「よしっ」




せっかくの今日を終わらせるチャンスだったけど、いくら1人とはいえ大事なクラスメイト。


21人全員で生き残らないと意味が無い。
だからいつもと同じ[助ける]を押した。







続く