完全ネタバレです。閲覧はご自身の判断でお願いします。
主人公名は「りあん」です。
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(……でも、起こしたりしたら悪いよね)
ため息をついて、そばにあった羽織を秀吉さんの背中にかけようと近づいた瞬間――
秀吉「――捕まえた」
(…え!)
ぱっと振り向いた秀吉さんに、腕の中へと捕獲されてしまう。
秀吉「今日、やっとお前に触れられた」
秀吉さんの腕は、相変わらず優しかったけれど、いつになく声色が焦れているような気がした。
りあん「秀吉さん、起きてたの……っ?」
(こんなにくっつくの、今日は初めてだから……妙にドキドキする……)
秀吉さん「ああ。お前が来たら捕まえてやろうと思ってな」
りあん「え? なんでそんな…?」
秀吉「決まってるだろ、尋問するためだ」
りあん「尋問……!?」
(なにそれ、怖い…!)
秀吉「今日一日様子がおかしかっただろ。お前も、他の連中も……」
(気づいてたんだ……)
秀吉「まあ他の連中のことはこの際いい。問題はお前だ、りあん」
秀吉「態度がおかしかったのはなんでだ? 俺じゃなくて他のやつを頼るのも……」
秀吉さんの顔に浮かんだもどかしげな表情に、きゅんと胸が疼く。
(私のこと、気にしててくれたんだ)
秀吉「お前の世話を焼くのも、お前を甘やかすのも、全部俺の役目だってのに……」
りあん「ごめん、これにはわけがあって……」
秀吉「わけ?」
(私の一存で、答えるわけにはいかないな……)
りあん「い、言えない」
秀吉「そうか……仕方ないな」
秀吉さんは、顔を近づけると、私の耳に息をふーっと吹きかける。
りあん「っ…!」
背筋がぞくっと震えて、耳が、顔が、全身が、途端に熱を帯びていく。
秀吉「顔、真っ赤だぞ。お前、耳弱いもんな」
りあん「急になにするの…っ」
上気した耳を押さえながら講義すると、秀吉さんは少し意地悪に笑う。
秀吉「尋問だって言っただろ? ちゃんと言うまで続けるからな」
