✐愛に包まれて3 | 愛の詩

✐愛に包まれて3

✨プロポーズ大作戦✨


それから私は深見家で暮らすようになった。朝は文さんのお手伝いをして朝食の準備をしてみんなを送り、出してから文さんと朝食。その後大学がお休みの時はお掃除とお洗濯をして、新さんがお買物に連れて行ってくれる。帰りにバイトしていたカフェでお茶をしてお昼ご飯を文さんと新さんとで食べるけど、最近は彼がお昼ご飯食べに帰るようになったから一緒に食べてる。少しでも顔を見たいらしい。お父様が私の両親と会い両親は一緒に暮らすことを了承する代わりに婚約という形を取リたいと申し出た。彼のフィアンセとなる夢のような展開。そんなある日仕事上のトラブルに巻き込まれて彼が腕に怪我をしたのである。片瀬さんから連絡を受けて新さんに病院ヘ連れて行ってもらった。「涼、大丈夫?」「莉子大丈夫だよ。心配させてゴメンな」「もう怪我したって言うから心配で心配で」「ごめんって、泣くなよ。ちょっとしたかすり傷だからね」「先生ホントに大丈夫ですか?腕動きます?」「アハハ大丈夫だよ、しばらくは君が涼の上になったほうがいいかなぁ」「わかりました」「先生莉子は素直なんだから変なこと言わないでください」「この子はお前の母親と似てるな?ひまわりの花のような人だったけど、明るくて良く笑う可愛い人だ」先生に言われてちょっと気恥ずかしいけどお母様と似てると言われて嬉しかったある日玲子さんとお茶しながら話していて恋人について聞いてみた。「恋人いるんですか?」「いないの。ずっと好きな人はいるんだけど、彼は私を恋愛対象には見てないんじゃないかな。」「誰なんですか?」「莉子ちゃんには言っちゃおうかな」「教えてください莉子も知ってる人ですか?」「ええよーく知ってるわね」「誰かな?」私の知ってる人はこの家にいる若衆達しかいないけど玲子さんが好きになるとしたら、もしかして?「はい、あの片瀬さんですか?」「莉子ちゃん何でわかったの?」「だって玲子さんが好きになるなら片瀬さんしかいないですよ。素敵だしお似合いだわ」「そう?嬉しいわ」「告白しないんですか?」玲子さんはちょっと考えて話し始めた。「彼は私が中学生の頃に家に来てね、母の友人の息子だったの。荒くれた性根を治してほしいって預かったみたい。私のことをお嬢って呼んでくれてね、学校のお迎えにも毎日来てくれて、いつも傍にいてくれたの。私はそんな彼がずっと好きでね、好きって言ったことはないんだけど、初恋の人なのよ」「そうなんですか?素敵」「来月七夕が彼の誕生日なのよ」「玲子さん告白しましょう?ちゃんと素直に気持ちを伝えるべきです。莉子応援します。お手伝いさせてください」「ありがとう莉子ちゃん」仕事から帰宅した彼に玲子さんの事を相談してみた。「姉貴が片瀬を?へー見る目あるなぁ」「ねぇ涼,玲子さんの想い叶えてあげたいの」「わかったよ、ひと肌脱ぎますか」それから私達はプロポーズ大作戦と呼び二人の仲がうまく行くように試行錯誤した。ある夜彼は片瀬さんと友達が経営するバーにお酒を飲みに行った。「片瀬、好きな女いるの?」「私ですか?ん、いますよ。ずっとその人の事見てきましたからね」「告白してないの?」「してません私みたいな極道はあの方には似合いませんから」「極道は恋しちゃいけないわけじゃ無いだろ?」「そうですがあの方は薔薇の花のような方ですから」「その薔薇の花束を作るとき入ってるのはカスミソウだよな?薔薇を美しく引き立てるカスミソウ、片瀬はカスミソウだと思うよ」「カスミソウですか?もったいない」「片瀬姉貴好きだよな?」「えっお嬢ですか?何で?」「あのなぁお前何年オレの傍にいるんだよ?それくらいわかるよ」「そうですね」「単刀直入に言うけど、姉貴もお前が好きだよ」「えっまさか、そんなはず」「わからなかったか?毎年バレンタインに贈るチョコはお前だけは特別だったぜ。片瀬、姉貴の事嫌じゃなかったら、ちゃんと考えてやってほしい」「若…わかりました。あのもし私がお嬢にプロポーズして結婚しても若は嫌じゃないですか?」「なわけねえだろ?お前が兄貴なら嬉しいよ」「ありがとうございます、あのお嬢の指輪のサイズはいくつかわかりますか?」「左の薬指だろ?莉子に聞いたわ。9らしいよ。」「ありがとうございます若。あの指輪一緒に選んでもらえますか?」「わかったよ。莉子にも言っておく」片瀬さんの気持ちを確かめて私達は一緒にジュエリーショップに行き玲子さんに贈る婚約指輪を選んだ。そして7月7日片瀬さんの26歳の誕生日はお父様が予約してくれたレストランヘお二人で食事に出かけた。帰宅後喜びに涙を浮かべる玲子さんと照れ笑いの片瀬さんをみんなで祝福した。いつか私達もこうして祝福してもらいたいねって彼と話した。それから文さんと合作の手作りのバースデーケーキをみんなで食べました。「莉子ちゃんありがとう」「良かったですね玲子さん、おめでとうございます」「あなた達のおかげよ、私達も何でも協力するから言ってね?」「はいよろしくお願いします」

こうして玲子さんと片瀬さんの婚約が整い秋に挙式をすることになった

式場を決めたり、ウェディングドレスを選んだり、結婚の準備が始まり傍で見ていて羨ましくなった。



続く