岩乃ちゃん☆ | ★25歳から!夢に向かって楽しむ日々★

岩乃ちゃん☆

8月19日になりました☆



そう☆
今日は愛猫岩乃ちゃんの生きた証の日。


もう1年経つんやなあ。
あの日、岩乃ちゃんは1日帰ってこなくて…みんなで必死に探して、探し疲れて夕飯前に休憩してたら、、ひょっこり帰ってきた☆


でもなんだか様子がおかしくて、
病院に連れて行くことにした。


そう、あの日は木曜だった。
動物病院は木曜休みのところがほとんどで…電話しても電話しても繋がらない。


もう明日にしようか。
ってなったけど、
なぜだか明日じゃダメな気がして…
嫌な予感がして。
手当り次第電話した。


ようやく繋がった病院で診てもらうことになって、父と2人で連れていった。


どんどん息が荒くなって
苦しそうにうなだれる岩乃ちゃん。
こんなに顔が歪んだ岩乃ちゃんを見たのは初めてだった。


父とわたしは
岩乃ちゃんを優しく撫でながら
「大丈夫で。大丈夫やけんね」
そういって励ますことしかできなかった。
無力だと思った。


手術室へ抱かれて行く岩乃ちゃんの姿。
「目に焼き付けておかないと」
本能的に思った。


助かって欲しい。
でも、もしかしたら…
感じる何かがあった気がする。


手術開始するまで1時間ほどあるから
一旦帰ってくださいと言われた。


わたしは、予約を一旦キャンセルしたエステに行った。
案の定、痛さと不安で涙が止まらなかった。


携帯が鳴った。
「お腹に溜まっていた血を抜いたら岩乃ちゃんも楽になったようです。一旦は大丈夫の様です。手術は明日まで様子を見てからになりました。」
父からのメールにまた嬉し泣き。


そして
エステが終わって帰ろうとした時
「体調が急変したそうです」
父からのメールに血の気が引いた。


お迎えにきてくれた母と妹と
そのまま病院へ。
いつもは冷静な妹の運転もどんどん加速していた。
「ゆっくりでいいけん、安全運転でいこ」「うん。」
3人顔面蒼白だったと思う。


入りたいのか入りたくないのか
自分自身でもよくわからない気持ちの
手術室へ早足で入った。


台に力なく横たわる岩乃ちゃんは
心臓マッサージをされていた。
先生が半分だめもとでやっているのがわかった。
もうずいぶんやっての結果なんだな。と。
先生は少し続けてから話し始めた。


「一回落ち着いたから大丈夫だと思った」
自分を責めているようだった。
わたしたちは先生を責める気もなく
ただ、目の前にある現実に涙が止まらなかった。


最期にひとりにさせてしまった。
捨て猫だった岩乃ちゃん
出逢った時も真冬の冷たい川でひとりぼっちだった。

せめて看取ってあげたかった。
知らないお医者さんや看護師さんじゃなくて、
家族であるわたしたちの顔を見ながら
目を閉じさせてあげたかった。


母はやっぱり泣きじゃくった。
岩乃ちゃんに話しかけながら静かに、力なく、泣きじゃくった。


妹の肩は震えていた。


こんな時やっぱり長女はしっかりする。


妹に岩乃ちゃんのケージを車から持ってくるように伝え、その間に先生と看護師さんに挨拶をすませ、母の小さな肩を抱いた。


ケージを持ってきてもらったけど、やっぱりタオルを借りて岩乃ちゃんを抱いて帰る準備をした。


わたしは岩乃ちゃんと一緒に
後部座席に座った。
助手席の母はずっと振り返って
岩乃ちゃんを撫でながら
「うそやろ?岩乃ちゃん?
もうバカよ。岩乃ちゃんはバカよ。」


普段バカなんて言葉を使わない母が言う「バカ」という言葉には、愛しかなかった。


父の待つ家に着いた。
数時間前と全く変わらない姿。
「命の光」が消えただけの岩乃ちゃんを見て、父も泣いた。


最後の記念撮影をしてもらった。
岩乃ちゃんが生きた証。


しっかり抱いていないとうなだれる頭。目を閉じさせてあげないとだんだん開いちゃう目。


月並みな言葉だけど、
命ってすごいなって思った。


それでも岩乃ちゃんは可愛いかった。
最初から最後まで
「可愛い☆」
だった。


「これで最後。」
と別れの言葉と撫で撫でを
何度も何度もくり返した。


触り心地の良い岩乃ちゃんのお腹。
いっつも触ってた。
枕にして寝たりもした。
最期はそのお腹を痛がって亡くなった。


あれから
あの手触りを思い出しては
空虚感に満たさせる手のひらが寂しい。


それでもこうして、
あの日を真っ正面から思い出せる今日は
きっと前に進めてる証拠なんだと思う。


悲しみは消えても
愛する気持ちだけは消えない。
消えさせない。


生まれてきてくれて、ありがとう。
岩乃ちゃん。
愛してる☆