プレーオフを勝ち抜き、優勝を果たすチームには、殿堂入りするようなスーパースターをはじめ、スターターとしてチームを支える選手、シックスマンとしてベンチから流れを変える選手など、さまざまな主力選手がいます。

 

しかし、限られた出場時間の中で自分の役割を果たし、ディフェンスやリバウンド、シュートなど、それぞれの持ち味を生かしてチームを支えた選手たちも存在します。今回は、出場時間は限られていたものの、優勝チームの一員として確かな役割を果たした選手たちに注目して紹介していきたいと思います。

 

第1回:サム・キャセール

 

 

 

 

2007-08シーズン、セルティックスで優勝

38歳、NBAキャリア15年目

 

<スタッツ>

Season:17試合、17.6分、7.6得点

play-off-Final:5試合、10.2分、3.8得点

 

レイジョン・ロンドの「恩師」

 

最大の役割は、当時プロ2年目で精神的にもまだ未熟だった先発PGのレイジョン・ロンドを、勝てる司令塔へと急成長させたことです。当時、既にロケッツ時代に2度の優勝を経験していたキャセールは、自身のプライドを捨ててロンドのバックアップという役割を完璧に受け入れました。

 

ロンドは後年、ポッドキャストで「自分のキャリアの初期において、キャセールこそが最も大きな影響を与えてくれた人物だ」と語っており、大舞台でのゲームコントロールやメンタルコントロールの術を若き才能へ叩き込んだ功績はフロントからも絶賛されたといいます。

 

チームの裏の主役

 

このシーズンのセルティックスは、ピアース、ケビン・ガーネット、レイ・アレンの【ビッグ3】が有名でしたが、ピアースは後年、「私とKG、そしてサム・キャセールこそが、2008年優勝チームの真のビッグ3だったと感じている」と語るほど、彼のロッカールームでのリーダーシップを評価していました。
 

キャセールは強烈なキャラクターと歯に衣着せぬ発言力を持っており、スター選手に対してもコーチ陣に対しても臆せず意見が言える数少ない存在でした。チームを家族のようにまとめ上げ、お互いに厳しく指導し合える「勝者の文化」をロッカーに植え付けた立役者と評価されています。

 

ファイナル第1戦での活躍

 

ファイナル、レイカーズとの第1戦。コート上でも、重要な場面でのクラッチ能力は健在でした。ベンチから登場して重要な3本のシュートを連続で沈めるなど8得点をマークし、試合の流れを決定づける役割を果たしました。

 

短い時間ながらもゲームチェンジャーとして、ドック・リバースHCからの信頼も絶大。キャセール自身、「2008年のボストンでの時間は、バスケットボール人生で最も素晴らしい時間だった」と振り返っています。