直也side
「あれー、宇野ちゃん1人??」
ここ最近いつも放課後残ってるらしい愛しの生徒たちの様子を見ようと教室に来るとそこには宇野ちゃんしかいない。
「日高くんと秀太はどこやらに、千晃は、お手洗いに。で、買出しに行ってるにっしーと真司郎を待ってるってところですね。」
日高と秀太の行方が分からないのは置いといて……。
「……なんで與がにっしーと買出し行ってんの?笑」
「成り行き??笑」
「なんだ、それ。」
「にしても、直也くん、日高くんに丸投げしすぎでしょ。」
「そう?日高ならやってのけると思ったからさ。」
確かに普通の教師より生徒に一任するやり方をしてるけど、もちろん助けを求められればちゃんと手を差し伸べる。
でも、それより先に大人が手を出すとイベントに対する想いも思い出も薄れてしまうと俺は思う。
「まぁ、日高くんなら安心してみんな着いてくるもんね。でも、なかなかいないよ、そこまで生徒に一任しちゃう先生。」
「俺、great teacherだから。」
「それ、使うところ違くない?笑」
無邪気に笑う宇野ちゃんを見て少しほっとしてる自分がいた。
「あははっ。でも、宇野ちゃんもgreatだけどね。」
「great student??笑」
「そうそう。宇野ちゃんはほんとに凄いと思うもんな。」
実は修学旅行前にあった全ての出来事を日高から聞いていた。
そして、それを今支えてるのが西島だということも。
「おだててもなにも出てきませんよ?浦田先生?」
「いやいや、よく気づくし、世話するの上手いし、あ、與とかな。教師とか向いてると思うよ。」
「教師?」
「そう。まぁ宇野ちゃんの人生だから宇野ちゃんのやりたいことやればいいけどね。」
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「ただいまぁ〜!!!」
俺と宇野ちゃんのいい雰囲気(?)を壊したのは西島隆弘。
と、隣で何やら飲んでる與真司郎。
宇「あ、おかえり。って真司郎何飲んでんの。笑」
真「奢ってもらった。な、にっしー。」
西「ねぇー、與さんっ。」
直「なんだこいつら。」
真「なぁ、みんなは??」
宇「あー、とりあえず解散にはしたけど、千晃と日高くんと秀太は戻ってくるはず……。あ、戻ってきた。」
廊下で会ったのか3人はワチャワチャしながら戻ってくるのが見えた。
さっきまでの空気はどこへやら。
こいつらが戻ってきて騒がしくなった。
でも、それが凄いく嬉しくて、まぶしかった。
直「ほら、全員集合したんだからお前らも早く帰れよ〜。」
「「はぁーい。」」
「あ、直也くん!!」
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俺を呼び止めたのは俺がこの瞬間まで弟タイプだと、甘く見ていた與真司郎だった。