音楽雑誌「MUSIC  MAGAZINE」の2010年3月号。





少女時代やKARAが牽引したガールズK-POPですが、そのブームの前夜…「何かK-POPすごいぞ!」という時期に出版されました。

(私はKARAのファンになってからバックナンバーを取り寄せて買いました)




表紙がKARAなのですが(イラストではありますけど…)、高橋修編集長曰く、これが世界で初めてKARAを表紙に使った雑誌なのだそうです。

我ながら良くやったと後に自ら語っていました。




ブームになってから人気のあるグループを表紙に起用することは簡単ですが、当時日本盤のCDを1枚も出していないグループを表紙にすることは賭けであり、大きなリスクもあったと思います。




特集としては「燃え広がるK-POP!」ということでK-POPを全般的に扱っていて、残念ながらKARAに関するページ自体はそれほど多くはないのですが、大きく分けると以下のような内容になっています。



・「いまの韓国アイドルの輝きを見逃すな!  女子グループ全盛で日本でも人気爆発の予感」

韓国で人気があるグループの紹介など。



・2010年2月7日にKARAが行った「First show Case In Japan 2010」のリポートとメンバーへのインタビュー、当時KARAを激推ししていた劇団ひとりへのインタビュー。



・K-POPの歴史のおさらい(書き手はKARAファンにはお馴染みの古家正亨さん)



・K-POPの最新形 CD30選(2010年3月当時)




その中で劇団ひとりがどんなことを語っていたかというと、



①KARAの「Pretty Girl」のプロモーションビデオ(PV)がとにかく可愛い。人生で観たPVの中で一番可愛い。



②2010年は間違いなくKARAが日本の音楽番組に出てくると思う。それでちょっとしたムーブメントが起きると思う。



③もしKARAが日本でも活動するなら、日本語で歌うことには反対。日本人からすると、女の子が歌う韓国語が可愛く聞こえるので、全編日本語で歌うことは避けてほしい。



④CDの『Pretty Girl Spacial Edition』は30~40枚は買った。そして配りまくった。(モーニング娘。だった矢口真里や、嵐のメンバーにも渡したそうです)



など、なかなか濃いことを語っていました。




①については、「Lupin」以降では見られないギャル(?)っぽいメイクのKARAメンバーたちが確かに可愛いです。でも、人生の中で一番とは…劇団ひとりには相当インパクトがあったのだと思います。



 ②については、ファンならではの目線なのでしょうけど、2010年2月の時点で予想しているのはすごいと思います。実際にそうなるわけですし…。



③については色々な意見があるでしょうけど、個人的には日本語でも OK派です。

もう少し書きたいことがあるのですが、うまくまとまらないので…また別の機会に書きたいと思います。



④については、ファンなら気持ちはすごく解ります。このグループいいから是非聴いてみてよ!という純粋な気持ちだと思います。

周りがそれを喜んでいたのか鬱陶しいと思っていたのかは分かりませんけど…。




2010年8月にミスターで大人気になりブームとなるKARAですが、「そんなブームはメディアが作った捏造だ」と言われたりしたこともありました。




ただ、突如として大人気になったり捏造とかではなく、ブームの前夜…地道に活動をして注目を集めつつ、じわりじわりと人気は高くなっていて、ミスターがトリガーとなって一気に広まった…というのが本当のところなのではないかなぁと思います。




日本初のショウケースも、当初は1回だけの予定だったそうです。

当時韓国の女性グループのイベントは客が入らないと言われていて、イベントを企画した会社ですらチケットが売れるか不安だったそうです。

でも、チケットを発売すると同時に完売、急きょ昼の部を追加してそれも完売。イベントを企画した会社の人も、大ファンだった劇団ひとりもびっくりだったそうです。




私はブームが起きた最中の後追いのファンなので、この「今からKARAが来るかもよ!?」というワクワク感が味わえなかったのはちょっと残念なところです。




それから、印象に残っている高橋編集長の言葉がありました。


『音楽的にも面白くなっているKポップ。しかし本筋は芸能界。音楽性を追及するよりも、今をいかに輝かせるかを競う世界だ。たがらこそ、まずはその輝きを見逃してはいかんと思う』




事務所は、アイドルの成長を願っているのではなく、そのアイドルをどう売っていくのかが第一であって、その為に色々な戦略を練ると言われます。

事務所にとっては、アイドルは『大事な商品』なのでしょうけど、お金を稼ぐための駒であり人形なわけで、だからこそ時に色々な問題も起きてしまうのだと思います…。




そして、今もたくさんのグループが次々とデビューしていると思いますが、既にデビューしているグループにとっては自分たちが駆逐され淘汰されていくのではないかという焦りや恐怖も生まれると思いますし、デビューしても順調に生き残っていくのはごく僅かでしかない厳しい世界です。




ただ、K‐POPのアイドルたちは(日本も)、そのことをある程度覚悟の上で芸能界に飛び込んでいくのだと思います。




輝くのはもしかしたら一瞬なのかもしれませんが、だからこそ放つ強い輝きがあるような気がします。