いま世界中でミツバチの大量死が起きていることを知っていますか?その被害は米国からアジア、中南米まで広がっており、もちろん日本も例外ではありません。
それらの原因は複雑に絡み合っています。とくにその中でも問題視されているのが農薬の影響です。そして、その影響は想像を超える範囲に及び、人類の未来にまで影響する可能性が指摘されています。いま、私たちがミツバチの大量死から農業のあり方について考えるべき、行動するべきことは何でしょうか?










これらの科学的根拠に基づく報告を受けて、2018年4月のEU委員会で、3種類のネオニコチノイド系農薬の屋外における全面使用禁止が決まりました。自然環境の劣化は、結果的に経済的衰退につながると判断し、ミツバチなどの農作物の受粉を担う昆虫の命を減らしてしまうためです。もし、ミツバチが減って農作物の受粉ができなくなれば、農作物の収穫高も減ってしまい、経済的に大きな打撃となります。そのため、EUではミツバチの生態変化は非常に重要な警鐘として捉え、農薬使用に関する大きな決断を下したというわけです。





日本では、例えば、2005年に岩手県で700群ものミツバチが、イネ科につくカメムシの駆除に使われたネオニコチノイド系農薬「クロチアニジン」により、大量死が報告されました。他にも、北海道や長崎県でも報告があります。

農林水産省が実施した調査によれば、ミツバチ被害の80-85%が、カメムシ駆除を行う時期に発生していることが分かっています。ミツバチ減少の主原因がネオニコチノイド系農薬であることが示唆されているにも関わらず、行政の指示は巣箱を動かす程度で、農薬散布に対する規制は行っていないのです。