世見
2023年12月31日(日曜日)

御節料理  

今年も仲良しでいてくださり、ありがとうございます。
出逢いとは本当に神秘なる世界です。
私達はこの世を旅立つまで、どのくらいの方と出逢えているのでしょうか。
こうしてお読みくださるあなた様とのご縁には、ありがたい思いしかありません。
今日は大晦日です。
今は多くの方が、今宵は年越しそばを召しあがると思いますが、全国的にこの年越しそばが広まったのは昭和40年代なのですよ。
以前は「年取り膳」という膳をいただいていました。
「年取り」とは、歳神様にお供えするものと同じ食事をいただくことです。
それと、ひとつ年を取るという意味もありました。
明治初期までは日没が一日の始まりでしたから、大晦日の夜はもうお正月だと思っていたのです。
お正月の御節料理とあまり変わらないのが年取り膳だったのかもしれません。
食事も今と昔とは随分と違います。
冷蔵庫・冷凍庫が日本の食文化を変えました。
食というのは、その地に暮らす人のパワーをアップさせる力がありました。
でも今は、多国籍料理も日本の食文化に入り込んでいます。
季節を感じる野菜もなくなり、一年中トマトは食べられます。
お正月くらいは、歳神様にお供えする御節料理を召し上がって欲しくなります。
「鯛」は“めでたい”に通じ、恵比寿様が抱えておられることから、豊漁の願いが込められています。
「海老」は長寿、腰が曲がるまで生きる。
「なます」は人参の赤と大根の白で、紅白の水引を表わしています。
「伊達巻き」は形が書物の巻物に似ている為、勉学向上。「かまぼこ」は赤と白を交互に並べるのは紅白縁起物。「数の子」鮭は時には10万もの卵を生むことから子孫繁栄。「田作り」片口鰯の稚魚を干して飴炊きしたものですが、鰯を肥料にしたら米が多くとれたので農作祈願の食べ物になりました。
「黒豆」勤勉健康です。
今年もお読みくださり、心からお礼申し上げます。