世見
2022年11月20日(日)
江戸時代の長屋生活
今、お住まいの家の広さはどの位ですか?
江戸時代、町人達が住んでいたのが“長屋”です。
標準的な長屋は四畳半の居室と、台所となる土間があるだけの狭い家でした。
この狭い空間に家族と暮らしていたのです。
水道など勿論ありませんし、お風呂は銭湯、トイレは長屋の人と共同です。
街灯もありませんし、家の中は行灯(あんどん)の灯りだけです。
夜は月明かり、星明りが頼りだったことでしょうし、交通手段といえば殆ど徒歩、履物といったら草鞋や下駄、素足の人もいたと思います。
舗装をされていない道を歩くのですから大変だったことでしょう。
便利な暮らしになれた私達は、江戸時代には住めないかもしれません。
江戸の町は、時代を経るに従って男女の人数比の差は小さくなりましたが、男性に比べて女性の数が少なかったのです。
幕末の頃でも男性の方が多かったために、お嫁さんをもらうのが一苦労だったのですよ。
だから、江戸の夫婦関係には、自然に女性上位が見えて来るのです。
江戸時代といえば、男性に女性は従わなければいけないというイメージがありますが、結婚・離縁に於いては女性に主導権があったみたいです。
「ナンパ」なんて言葉を最近は聞かなくなりましたが、江戸時代のナンパ方法が実に面白い。
男性が人混みで女性を見初めると、その女性のお尻をつねるのが求愛行為だったのですからね。
でもね、江戸時代の道路は意外と優れていたのですよ。
お江戸日本橋を起点に、五街道が主要交通路として整備されていました。
「東海道」「中山道」「日光道中」「奥州道中」「甲州道中」ですが、現在の陸上交通もこの五街道を基礎にしています。
江戸時代を知ると日本人の心の在りようが見えて来ます。
長屋の家賃は1カ月600文で、現在価格で9,900円、四畳半と土間の台所での値段でした。