フィリピンの電力網、中国が「いつでも遮断可能」 内部報告書が警告』
システムの主要素にアクセスできるのは中国人技術者のみで、理論上は中国政府の指示によって遠隔で動作を停止させることも可能
中国政府の『完全な支配下』にあり、中国政府はフィリピンの電力網に混乱を引き起こす能力を保持していると警告。
フィリピンの送電会社NGCPの株式の40%を中国の送電会社「中国国家電網公司」(SGCC)が保有していることを受け、フィリピン国会の議員向けに配布された報告書で可能性が指摘されたという。SGCCは世界最大の送電事業者として知られ、同社を中心とした国際送電網構想は日本を巻き込んで進んでいる。
SGCCはアジア圏を中心に、国際送電網の構築を進めている。同社は2015年、「グローバル・エネルギー・インターコネクション(GEI)」構想を発表。同構想に基づき、中・韓・ロ・日の4カ国の電気事業者(日本からはソフトバンクグループ)が国際送電網の構築に向けて、16年3月に合意文書を締結した。
GEIでは50年までに世界全体を高圧の送電網でつなぐことを目標に掲げる。各大陸内の国際送電網を30年までに、大陸間の送電網を40年までに構築する。アジアでは日本を含む北東アジアのほか、中央アジア・東南アジア・南アジア・中東の5地域を対象に、水力・風力・太陽光といった自然エネルギーの電力を大量に供給できる国際送電網を想定している。