こんにちは!









連休はどうお過ごしでしたか?






私は映画を観てきました!映画館で観る映画はやはりDVDとは違いますね。






英語も臨場感があってすごく聞いていてワクワクします。











さて、今回は





時制の一致③ 仮定法と時制の一致







について扱います。











学校英語ではよく、







仮定法は時制の一致を受けない







と習います。








しかし、どのような場合でも仮定法は時制の一致を受けない、と結論付けるのは明らかに間違いだと思います。






今日は私なりの分析についてお話します。






もし私の分析にどこかおかしなところがあれば、どうぞ遠慮なくコメントをどうぞ。














さて、仮定法が時制の一致の影響を受けない、とは、例えば以下のような例です。







(a) He talks as if he knew Lady Gaga.





「彼はまるでレディー・ガガを知っているかのように話す」








(b) He talked as if he knew Lady Gaga.





「彼はまるでレディー・ガガを知っているかのように話した」









(a)では、主節動詞である現在形のtalksとともに、as if 「まるで~であるかのように」 が用いられ、その中の動詞が過去形の knew になっています。







これは仮定法過去と呼ばれ、現在の事実に反する仮定について言及されるので、現在形を使うのではなく、現在形とは離れた「過去形」を使うのです。











(b)では、その主節の動詞であるtalksが過去形になった形であるtalkedが使われています。





時制の一致の原則に従うと、下のように、as if の中は過去のさらに過去、つまり大過去であらわされ、had + 過去分詞 が使われるようにも思われます。







He talked as if he had known Lady Gaga.









しかし、ここでは、(b)のように、as if の中はそのまま仮定法過去が使われているのです。







(a) He talks as if he knew Lady Gaga.




「彼はまるでレディー・ガガを知っているかのように話す」







(b) He talked as if he knew Lady Gaga.




「彼はまるでレディー・ガガを知っているかのように話した」









このことから、「仮定法は時制の一致を受けない」と言われています。








しかし、なぜ(b)は時制の一致の影響を受けないのでしょうか







仮定法過去とは、現在の事実に反する仮定を言及するときに使われます。







つまり、彼は「レディー・ガガを知らない」という現在における事実があるにも関わらず、その知らないという事実に反するような仮定を行っていると考えることができます。









この、「現在、彼はレディー・ガガのことを知らない」という事実がポイントとなります。









(b)においては、主節の動詞はtalksから過去形のtalkedになるわけですが、その文が発せられる現在においても、「彼はレディー・ガガを知らない」という事実が変わらないと話し手によって想定されるため、仮定法過去はそのままの形を保っています。









もう少し詳しく説明すると、







(b)では







(b) He talked as if he knew Lady Gaga.





「彼はまるでレディー・ガガを知っているかのように話した」









彼は過去にレディー・ガガを知っているかのように話した







という一方で、「その過去の時点においても、現在においてもやはりレディー・ガガを知らない」という事実は変わりません。







そのため、現在においても彼はレディー・ガガを知らないという事実に反した仮定をしているということを強調するため、ここでは、現在における事実に反する仮定をする、仮定法過去が使われているのです。








つまり、前回の「時制の一致②」と同じように、






「過去や現在という時間の流れに関係なく」、事実と反することを言及するために、仮定法の時制は主節の動詞からの時制の一致と無関係なのです。







もう少し分かりやすい例を紹介しましょう。




以下の日本語を訳すと2パターンの英文が考えられます。時制の一致を受けない場合と受ける場合です。






「彼は、十分なお金があれば新しい車を買うだろうと言った」






(a) 時制の一致を受けない場合




He said that if he had enough money, he would buy a new car.






(b) 時制の一致を受ける場合



He said that if he had had enough money, he would have bought a new car.







大切なのは、一つ目の(a)の、時制の一致を受けない場合です。






主節の動詞がsaidという過去形なのにも関わらず、その後のif節やその従属節における動詞は過去形のままで時制の一致の原則を受けていません。






この場合、「彼」は、今でも変わらず「十分なお金がない」ことを強調しているのです。






これが、学校の英語で習うような、仮定法は時制の一致の影響を受けない、ということです。








しかし、(b)の文では時制の一致を受けています。




この場合は、文の話し手に、「今現在では彼にお金があるのかないのか」という意識がなく、問題にしていないと考えられます。








つまり、(b)の例は「仮定法は常に時制の一致の影響を受けない」ということを否定しています。








まとめると、






仮定法は実際の現在や過去における事実と反する場合、時制の一致の原則が適用されませんが、






話し手が文を発した時点において事実と反するか反しないかを意識していない場合(つまり、仮定の意味を意識しない場合)、時制の一致が適用されるのです。






ポイントは、主節における動詞の時制ではなく、あくまでも「仮定法における時制」にのみ依存するということです。








話し手が、文を発した時点で仮定の意味を意識するのかしないのか。








少し難しい説明だったかもしれませんが、仮定法は時制の一致の原則が全て適用されない、というのは明らかな誤りだということを頭に入れておきましょう。