日本人英語学習者なら、一度は通るかもしれない難関。




リスニング。




かく言う私も、リスニング能力を伸ばすのには大変苦労させられました。



大学院留学のためにTOEFLという英語の試験で高い点数を取らなくてはならず、一年近く日本で試験対策をしました。




リスニング能力を上げるのにはいろいろな方法があり、もちろん個人の興味や能力・目的によってそれぞれ適切な対策方法がありますが、私がある程度リスニング対策を進めていくうちに気づいたのは、




「話し手が次に話すであろう言葉を予想することが大切」




ということでした。



相手がこれから話すであろう言葉を予想できていれば、その言葉が流れてきてもすぐに聞き取ることができるはずですよね。




日本語でも英語でも、「この言葉が来たら、次に来る言葉はこれだろう」というものがあるのです。




日本語で言えば、たとえば、



「昨日は天気が良かったから、犬を連れて公園へ・・・・・」



まで聞き取れば、後はおそらく



「(散歩に)行った」



という言葉が続くかもしれない、と予想できますよね。





英語でも同じく、このような予想をすることで、続く言葉が聞き取りやすくなるのです。



さきほどの文を英語に直してみましょう。日本語と英語とでは語順が違うので、さきほどの例とは多少性質を異にしますが、



I walked my dog around the park, since ..........


「犬を連れて公園に散歩に行ったんだ、なぜなら・・・・」




文脈から、「犬を連れて公園に散歩に行った」理由は、おそらく「天気が良かったから」と予想できるかもしれません。




また、この文章では、「犬と散歩に行った」理由を言う際に、接続詞の since を使っています。



Since 「なぜなら」 は、話し手と聞き手が既に知っている・共有している「旧情報」を理由として述べるときに使われる接続詞です。その点で、聞き手が知らない「新情報」を述べる because とは異なります。



つまり、sinceを使うことによって、聞き手も「予想できる」理由をこれから言おうとしているのです。



聞き手も、「昨日は良い天気だった」ということを知っているので、sinceの後の文章も容易に予想できうる、ということです。





また、「自分が話した後に、相手がどのような返答をするか」 予想をする、ということもできます。


つまり、予想される「相手の返答」を想定したうえで自分が発話するのです。するとやはり、相手の返答も聞きやすくなり、それに対する自分の返答もたやすくできる、というわけです。



この方法は、


「本当のコミュニケーションにはなっていない」


という批判にも遭いそうですが、初めのうちはそれでもいいと思います。このような「相手の言うことを考えながら話す」という機会が一番大切なのですから。



そして、「予想に基づく発話」の訓練を繰り返すことによって、いずれ考えるまでもなく慣れて自然と表現が身についていくものだと思います。




このような予想の「パターン」を身につけると、あまり集中していなくても相手の言葉を予想しながらスラスラ聞くことができるようになってくるのです。




相手の言うことを予想すること。結構リスニング力と関わるテクニックなので、リスニングがなかなかあがらない、と思っている方は一度意識してみては?





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