おはようございます。都内でピアノ講師をしていますHayaMiです。
ブログを見て下さり有難うございます😊
皆様も、今までに印象に残る言葉がお有りでしょう✨
私もいくつかありますが、今日は指導者になってから出会った、印象深い言葉を1つ、お話させて頂きます。
だいぶ前の話になりますが、
ピアノ講師になって3年目、新講師の時に、
前の先生から引き継いだ中3の生徒さんが、
「音大に行きたい!」と、二人三脚で頑張っていた頃、
受験を控えた生徒さんを連れて、音楽大学のT先生のレッスンを受けに行った日のことです。
生徒さんは、私が卒業した音大とは別の音大希望だったので、先生を紹介して頂き、生徒さんとお母様と私で、緊張した面持ちで伺いました。
T先生は、生徒さんの演奏を聴き終えたあと、
こうおっしゃいました。
「お家でお料理してる?」と。
そして、生徒さんはちょっと戸惑いながら「してません…」と応えると、
先生は優しく「これからしてね😊」と、おっしゃいました。
そのとき、緊張した空気が、ふわっとやさしく揺れた記憶があります。
それから先生は続けて、
【お料理するときに、まず「どんなお料理作ろうかな?」、「どんな風に作ろうかな?」、「味付けはどうしようかな?」と考えるでしょ。音楽も同じ。】
【お料理をたくさんすると、ピアノを弾く時も、同じように考えられるようになるわよ。】と、おっしゃいました。
私はこの時に、本番までに良い演奏が出来るように仕上げていくには、
ピアノに向かい、ひたすら一生懸命練習し、ただ美しい音を並べて弾くだけではなく、
「ピアノを弾くのも、色々な経験と重ね合わせ、【音を調理し、自分の中で育てていく】ものなのだ」と 気づきました。
そして、生徒さんも開眼し、1年後、無事に音大に合格しました!
〜「音を調理する」とは〜
まず素材(音)を感じ、
ひとつひとつの音の響きが、どんな色や香りを持っているかを聴くこと。
そして、その音をどう生かすか。
次にどんな風に音を作っていくか?
指の角度、タッチ、ペダルの深さetc.
様々なテクニックを使って作っていく。
調理だと、火加減や包丁使いのようなものでしょうか。
そして味付け。
フレーズの流れや強弱、間の取り方で、音楽の味わいが変わっていきます。どんな塩梅が良いのか?
ちょっとスパイス効かせて、メリハリつけてみようかな?とか。
最後は、仕上げと盛りつけ。
空間に音をどう置くか、どんな余白を残すか。
最後の一音、そのあとの余韻も音楽の一部です。
【音を調理する】ということは、
譜面を“レシピ”として読み取りながら、
自分の心で感じ、手で味わいながら“ひと皿”を仕上げていくこと。
単に音を並べるのではなく、
音と対話しながら“自分の音”を生み出すこと。
あの日の先生の、
「お料理してね」という言葉には、
そんな深い願いが込められていたのだと思います💞
受験の緊張の中で、穏やかに優しくかけられた一言は、
今も私の中で響き続けています♪
そして、練習をしてなくて「ピアノ弾かなくちゃ!」と思うと同じように、
料理をしてないと、「あ、料理しなくちゃ」と思うのです😅
🌷本日も最後までお付き合い頂きまして、有難うございました😊