「その言葉を,ただ,信じるのみ」
安永雄彦「歎異抄」
『お釈迦様の教えに間違いがなければ,善導大師の教え
に間違いはない。善導大師の解釈に間違いがなければ,
それをもとに念仏往生の道を明らかにした法然上人の言
葉にうそ偽りはない。』
『法然上人の教えが正しければ親鸞があなた方にお伝え
する念仏往生の教えが間違っているはずがない。
一筋の道をただひたすら歩むだけである。何も妨げるも
のなどない。』
人は分別や苦によってまた欲によって支配される。苦か
から見えてくるのは,何も支配されない。左右されない
一筋の道である。これを白い道と言った。
白い道は狭く,道の両側には教えを妨げるものが渦巻い
ている。愛欲,金欲,物欲,名誉欲,名声欲,娑婆に存
在するすべてが道を狭めている。
ただひたすら狭い道を念仏往生の教えを信じるだけであ
る。難しいことは要らない。信じるだけである。信じた
ことで地獄に落ちても構わないという信心,地獄こそが
私のすみかであるという念仏の教えをただ信じることが
白い道であると言える。
人を怨み,人を憎み,求めても得られないもの,愛する
人を自分の思うままにならないことで怨み,憎しむ。ど
れだけ愛しても必ず別れは来る。我が子は思うようには
ならない。お金もいつも足らない。人と比べて自分はダ
メだと思う気持ち。人間にはいっぱいあります。
そのなかで,道を求めて,左右されない信心が教えです。
それをただひたすらに思いなさい。信じなさいという。
