~忽ち彼女は猛然として、図太い、大胆な表情を湛え、どしんと私の背中の上へ跨がりながら、
「さ、これでいいか」
と男のような口調で云いました。
「うん、それでいい」
「これから何でも云うことを聴くか」
「うん、聴く」
「あたしが要るだけ、いくらでもお金を出すか」
「出す」
「あたしに好きな事をさせるか、一々干渉なんかしないか」
「しない」
「あたしのことを「ナオミ」なんて呼びつけにしないで、「ナオミさん」と呼ぶか」
「呼ぶ」
「きっとか」
「きっと」
「よし、じゃあ馬でなく、人間扱いにして上げる、可哀そうだから。ーーー」
そして私とナオミとは、シャボンだらけになりました。
・・・・・・・・・
谷崎潤一郎著「痴人の愛」。
終盤の容易に読める展開(穣治の顛末)には爆笑です。
またこんな風に堕ちていった穣治が、地の文で己の過去をとても客観的に語っているというのが最高に面白い。
自分で引き取って、自分の好みに育てた小娘ナオミの肉体に心を奪われ、果ては人生までも奪われてしまう程に翻弄される。
そしてその出来事を穣治が読者に紹介するという形で書かれた形態(それも客観的に)。
穣治がナオミにそうだったように、僕も谷崎潤一郎の感性に屈服しました。
モスバーガーで読了する本じゃなかった(笑
帰ったら「肉体の悪魔」を読もうっと。
「さ、これでいいか」
と男のような口調で云いました。
「うん、それでいい」
「これから何でも云うことを聴くか」
「うん、聴く」
「あたしが要るだけ、いくらでもお金を出すか」
「出す」
「あたしに好きな事をさせるか、一々干渉なんかしないか」
「しない」
「あたしのことを「ナオミ」なんて呼びつけにしないで、「ナオミさん」と呼ぶか」
「呼ぶ」
「きっとか」
「きっと」
「よし、じゃあ馬でなく、人間扱いにして上げる、可哀そうだから。ーーー」
そして私とナオミとは、シャボンだらけになりました。
・・・・・・・・・
谷崎潤一郎著「痴人の愛」。
終盤の容易に読める展開(穣治の顛末)には爆笑です。
またこんな風に堕ちていった穣治が、地の文で己の過去をとても客観的に語っているというのが最高に面白い。
自分で引き取って、自分の好みに育てた小娘ナオミの肉体に心を奪われ、果ては人生までも奪われてしまう程に翻弄される。
そしてその出来事を穣治が読者に紹介するという形で書かれた形態(それも客観的に)。
穣治がナオミにそうだったように、僕も谷崎潤一郎の感性に屈服しました。
モスバーガーで読了する本じゃなかった(笑
帰ったら「肉体の悪魔」を読もうっと。