子供の頃、所沢に住んでいたことがある。

だから今でも西武ライオンズファンだ。

あるとき、所沢のレストランで当時西武のエースだった工藤公康監督と隣のテーブルになった。

ご家族で幸せそうにお食事をしていた。

長男は小学生だったぼくよりまだ小さく、楽しそうだった。

家族水入らずでお楽しみだったので、本当におしかったが、僕は声をかけなかった。

「いつか工藤さんと話せるように、一流のピアニストになろう」

とその時心に誓った。

それが、巡り巡って、今では野球の裏話を工藤監督から直接聞き、あの時の幸せそうだった長男の阿須加とはバカなことを言い合う仲になり…

中学や高校の頃は、コナミの野球ゲームで山本昌さんや川上憲伸さんを使い、コンピューター相手に無双を繰り広げた。

一時期は、練習やコンサートに忙しく、寝る前にゲームをすることくらいしか息抜きの時間はなかった。

それが、今では仕事に行き詰まったときにラインで相談出来る仲だ。

野球からは本当にいろんなことを頂き、学んだ。

今では歳下の選手を尊敬しつつ本当にかわいく思っている。

梶谷選手や金子選手をはじめ、本当に素晴らしいヤツらだ。

でも、時々、ふと子供の頃に感覚が戻る。

自分の中の目標だった人達と仲良くするというのは、不思議な感覚だ。

昔の自分と今の自分が乖離していって、別の人生を歩んでいるかのよう。

昔の、ただただ夢に描いていた時の自分もどこかで生きていて、未だに夢を見続けている。

もう１つの人生を僕は生き、今があるような感覚だ。

この記事を「自慢」ととらないでほしい。

夢を見て、それを実現できると信じる力を、少しでも多くの人が持ってくれたらと思う。

他人に嫉妬したり、批判したくなる気持ちは、全て「今の自分に満足していないから」だと思う。

自分に降りかかる不条理なことはスルー。

他人に降りかかる不条理なことを許さず、生きていけたらと思う。

だから、僕は何歳になっても、これからも、夢を諦めない。

僕が考えついた夢は全て実現できると信じている。

夢を見ることが、全ての始まりだと、僕はそう思う。

夢見