『ウェディング・ママ』稽古
日々“読み合わせ”を繰り返し、台詞を直したりしながら個々のキャラクターの心情を追ったりしてます。
演出の宮田慶子さんは今回初めてご一緒します。
とても丁寧で柔軟なサバサバした印象。
役者の心情をとても大切にしてくれます。
演出家によっては読み合わせをせずいきなり“立ち稽古”と呼ばれる動きながらの稽古に入る人も居る。
宮田さんは真逆のシッカリ読み合わせをするタイプ。
僕はどちらのタイプの演出家も経験があって、どっちが好きとか嫌いはないけど、声優じゃないから声だけの芝居が得意ではない。だから読み合わせは程々に早く立ちたいタイプの役者。
でも、こうやってじっくり台本に向き合うと、なるほど色々見えてくるし、精神的に余裕を持って役と向き合える。
今、僕に課せられた課題は
「ブルースはどのタイプのゲイでいく?」
こういきなり宮田さんから質問されて困った…。
“どのタイプ”と言われてもそんなに色んなタイプがあることすら知らないし…。
せめて三択クイズにして欲しかった…。
ザックリ言うと、男っぽいゲイか女っぽいゲイか…みたいな話。(本当はもっと細かい繊細な話だったけど…)
原作や台本にはいたって普通の青年ブルースとして台詞回しや行動が描かれている。ただ、パートナーが男と言うだけ。実にニューヨークにありがちな「普通にゲイ」なブルースである。
だからオネエ口調だったりナヨナヨした雰囲気はなくナチュラルに演じていきたいと言った。
「でも、せっかくゲイ役なんだからもう少し女性的な部分を入れてみたら?」
と、宮田さん。
なるほど・・・そうだよなぁ・・・普通に演じたらおもしろくないかもなぁ・・・
この時の会話は本当にゲイの人が聞いたら爆笑していたか、怒り出すような偏見と無知の会話だったと思う。
う~ん…。オカマ役やゲイ役をよくやるけど、一番気を付けているのは「オカマやゲイと言う設定に甘えない」と言うこと。
ステレオタイプの分かりやすい力業のゲイではなく、リアリティーを持ったナチュラルな役作りをしたいと思う。例えば2月の『Wedding Singer』のジョージ役も同じように創った。
今回のブルースくんは「ニューヨークに居そうな、普通にゲイなゲイ。」
難しい…。
でもやっぱりゲイなわけで、どこか何かが匂った方がいいんだろうなぁ…。
いやはや、こんなに色んなタイプのゲイを演じる役者ってどうなんだろう?
ま、とにかく明日から立ち稽古に入ります。
また新たな“ゲイ”を追及したいと思っとります!
職業オカマと呼ばないで…
ほなまた(^з^)/~~
★NIRO★