行ってきました。京都劇場ははじめてだったのですが駅近ですごいいいですね。帰りも楽でした。
座席は二階の一番奥で、チケットもらったときは「えらい後ろになったな・・」と思いましたが、実際座ってみたら二階席の傾斜がめっちゃ急で逆に見やすかったかも。あまりの急さに友人Mに「昔の大阪球場のスタンド並み」というLINEを送ってしまったわ(笑)
以下ざっくりとした感想 ネタバレありです。
相変わらずほとんど前情報をいれずに「暗い家族の話」くらいで見に行きました。舞台真ん中ににずっとあるレースの大きな塊(?)がうごめいていて、それが不安やら霧やらウエディングドレスやら表現していてなんか不思議で美しかったなぁ。
よくわからないところもあったので帰ってからざくっとどういう物語だったのか検索してみたのですが、これは作者のユージーン・オニールの自伝的作品なのですね。作中に次男の「ユージーン」は赤ちゃんの時に死んだというエピソードが出てきてますが、それは自分を投影しつつ自分はそこにいないということにしたかったのかな?(作者の立場はエドモンドだそうですが)
しかも「夏の一日の物語」って確かにそうだわ! 一日しかたってなかった!! でもものすごい濃密でずっとあのお屋敷にいるような気持ちにすらなっていました。
ストーリーは舞台としてはどちらかといえばわかりやすくいろんな問題を抱えた家族の愛憎の話・・とざくっといえばそうなのですが、その感情のやりとりがめちゃくちゃ濃密でした。愛しているのに同じだけ憎しみがある。
「夫は夜友達とバーで飲みに行くのに私は一人きりで家で子供を見ている」という母親や「夫婦はお互い愛し合っていて弟も愛されているのに自分だけが愛されていない」と感じる長男とか昔のアメリカのお話しなのに現代の日本でも共感できるような家族の形だと思います。
やはり大竹しのぶさんはすごかった。私彼女の舞台を見るのは何回目だろ? 何回か見ているのですがこれは今まで見た中で一番すごいと思った。愛ある母親と薬にくるってる姿と初々しい女学生と本当に声や雰囲気が全然違う。最後の独白のシーンなんで本当に神々しいくらい愛らしかった。
おーくらさん演じるジェイミーはある意味一番薄いキャラだと思いました。エピソードもね、他の三人が語りつくすだけのものがあるのにジェイミーはほぼ出てこない。自分が誰からも大事にされていないと思って家でダラダラしてお小遣いせびってお酒と女に使う自堕落な男。弟を愛しているけれど同じだけ憎んでいる。この(他と比べての)薄さはもしかして作者が弟の立場で兄を見ていたからかなぁと後で考えたりもしました。エドモント(作者のユージーン)もジェイミー(本当の兄)に対して思うところがたくさんあったんだろうなぁ。
おーくらさんの体がいい感じにふくよかで「そら仕事もロクにせずにお酒とのんでる男」を演じているとそうなるよなぁと双眼鏡を見てました。俳優さんって大変よね。
夏のたった一日の物語で、これでこの家族に何がおこるわけでなくこの家族の未来に明るい要素もあまりなく・・とはいえ作者のユージーンがエドモントなら療養所にいって結核がなおって有名劇作家になって成功したといえるのだけれども、この舞台の家族にはそういう明るい未来は見えなくて、でもラストシーンのメアリーは本当に綺麗ですこしだけ希望があるように錯覚してしまった。彼女がおそらく一番幸せだったのはジェイムズと恋愛し結婚したあの瞬間だったのだろうね。
休憩込で三時間半のお芝居で、本当に申し訳ないけど最後の方お尻が痛くて痛くてじっとしてられなかった。たぶんこれは私だけではなかったと思う。立地はいいので次にここにくるときはクッション必要だということだけは覚えておきます。