ようやく行ってまいりました。前評判をきいてドキドキしておりましたが、なかなか。ソーシャルディスタンスで座席が一つ飛ばしで優雅に見られてこれはこれでありかも・・と思った。(以下ネタバレありです)
原作は読んでいなかったのですが、おーくらさん演じる恭一がまぁ最低な男ということは聞いていたが、ホンマに最低だった(笑) でもその最低さがとってもリアル。浮気を調査されてたことへのうろたえ方とか今ヶ瀬への訴え方とか「大切にしたい」とか「傷つけたくない」みたいなことを言うくせにやってることが自分本位だったり。「相手がそれでもいいと言ったから」とか理由がすべて相手なんだよね。(とはいえ浮気相手の言い訳しながら恭一を部屋に呼ぶあたりもなんかリアルだったなぁ。ただ会いたいとは言いたくないんだよね)
基本的に自分からNOは言わない。相手に決定権をゆだねる。そのあたりがずっと一緒にいる奥さんには耐えられなくて最終的に「気持ち悪い」とすら言わせてしまう。
そんな流され侍な相手のやりたいようにさせ言わせて合わせて中途半端さを優しさだと思ってる恭一が唯一はっきり「NO」を言ったのって、今ヶ瀬が「月一でもいいから」とすがるシーンなんだよね。なんというかそれ以前からそうだとはわかっていたけれど、あのシーンで「今ヶ瀬が恭一の例外になった」ということがよりはっきりしたように見えました。
で、その後いつの間にかよりを戻していて、正直ここだけちょっと展開が不思議だったり。漫画だとちゃんとストーリーあるのかな?(原作未読)
でもそれまで「抱かれる」側だった恭一が「抱く」側に変わるということはそれだけ意識がかわった、今ヶ瀬をちゃんと恋愛対象としたということなんだろうと思ってる。それより夏生とはできなかったのにたまきとはできたんだろうか?
夏生って恭一の女性たちの中で唯一タイプが違うよね。たぶん流され侍な恭一が相談女あたりにひっかかって別れたんじゃないかと勝手に想像した。夏生からは初めての男ということもあるだろうけど、やはり恭一が男と付き合うようになったのを「更生させないと」というような使命感すら感じた。
今ヶ瀬は本当にかわいくて、なんというか猫みたいだなぁと思った。今ヶ瀬もかわいさでごまかされてるけど(恭一はあの最低さをあのめちゃくちゃ顔面の良いことで許されている。あれはおーくらの美貌があるから許される)結構やってることはやはり最低で、探偵としての仕事は私情でダメにしてるし(バレてないけど)最初は脅迫だし、一途かといえばちゃんとモトカレと会ったりもしてるし、そのあたりはもともとノンケだった恭一とは違うゲイの恋愛観だよね。
今ヶ瀬はゲイでノンケの恭一を自分に振り向かせないといけない大変さというか捨て身さがあったけど、恭一は性のアイデンティティを覆されてるからきっと大変さは恭一の方が上だと思う。恭一がなんというかやはりその主導権を自分でとろうとしないし最終的に受け入れたけど、今ヶ瀬はそこまでしといて「やっぱりダメだ」とジャッジして慣れ親しんだモトカレやらゲイのコミュニティに逃げることができる。でも恭一はそういうものがない、失った状態で、だからこそ恭一がゲイのクラブに行ったのかななどと考えたりもした。あれなんてたまきと付き合ってる時なのに、それでも何か確認したかったのかな。自分の性のあり方とか今が瀬の性のあり方とか。
まぁとりあえずたまきはあんな男と結婚しなくてよかったとおばちゃんは思うよ(笑) きっといい子なんだろうから、顔は落ちるかもしれないけど中身がマシな男はいくらでもおる。
最後が不思議とすがすがしくて、なんだろうなぁこの先どうなるのかわからないけど恭一はきっと今ヶ瀬が戻ってきてもいいようにしてるけど、別に戻ってこなくてもいいと思ってるような気がした。たぶん「恋愛でじたばたするよりももっと大切なものがある」からなんだろう。
原作読んでないけどやはり読んだ方がいいのかな。先に読むとイメージがつくと思って読まないまま映画を見たけどこの先の二人が読めるならちょっと気になる。というか原作と映画って内容一緒なんだろうか(笑)