マルの舞台「ハザカイキ」を見てきました。のでざっくりと感想です。

ネタバレも書いています。

 

まず私最近ヤスの舞台を見ることが多かったので、なんか「現代が舞台って久しぶり」みたいな気持ちになってしまった。

ストーリーも時系列がきっちりしていて追いやすかった。でもやっぱり色々考えさせられる内容でしたね。

 

でっかいTV画面がお芝居の中で効果的に使われていて面白かったな。本当にその辺のワイドショーを再現してて無責任なコメンテイターとか司会者とか「あぁ確かにこういうこと言いそうな人おるおる」と思わせるのがとっても上手だった。

内容もたしかにいろんな「端境期」だよねと感じました。

昭和な価値観の橋本社長と令和の売れっ子の加藤勇との対比とかマルの恋人の里美と親友の伸二とのやりとりとか。

その前にLGBTのことをTV画面で流してるのもうまいよな・・と思った。私本当に伸二が裕一が好きだとまったく気が付いてなかったのでびっくりした(というか里美が好きなんかとちょっと思ってた・笑)

あの時の里美の発言というかやり方がすごいリアルというか女性としてわかるわ~という気持ちになったわ。

あのね、自分の恋人に自分よりはるかに仲がよくてしょっちゅうでかけてる親友がいて、その彼が自分の恋人好きだったら女性としてはやっぱりあーゆー感じになると思うのよ。しかも「ハザカイキ」な令和の今では昭和の昔のように野蛮に「男が男好きだなんて気持ち悪い。彼に近づかないで!!」みたいにばっさり拒否もできない。だって「親友」なんだし「自分の性別も恋愛対象も固定されてないのも認められる。認められないなんて古臭くて頭固くて時代おくれ」なんて思われるんだもん。防御策として「私はそういう恋愛とかに理解ありますよー」と前もって伝えておかないといけないめんどくささ。いっそ相手が女性のほうが「近づかないで!」とばっさりいえるだろうにね。

 

二幕は最後のすごい「謝罪会見」に集約されるように全体的にずっと「謝罪」がテーマだったよね。みんなみんな誰かに謝ってた。

この中で一番印象的だったのは橋本社長とマネージャーの田村の謝罪かなぁ。もちろん橋本社長は昭和の男で間違いなくパワハラな行動をとっていたのは事実。でそれに田村さんが弁護士使って訴える。本当に今時ありそうな話だしでも結局お互いそこで和解するんだよね。それは物語的なきれいごとかもしれないけど切って捨てるだけではない価値観が示されているような気がした。

そして圧巻の橋本香の謝罪会見。いやすごかった。あれ血管切れるんちゃうかとすら思った。迫真の演技ってあーゆーのを言うのだと思う。香の女優さんの活舌もすごいいいからセリフも聞きやすかったし。

あれは結局SNSとかの文章とかTVにうつる表現とか表情とか表にでているものは、それだけじゃないこれだけの感情が裏にあったうえでの、文章だったり表情だったりするんだよ。それをあなたたち(マスコミ)はまったくわからないでしょ。でもその表面を見て私を応援してくださったファンの方には謝罪します。という会見だったのかなぁと感じました。

 

最後の里美とか謝罪でなんかちょっとハッピーエンド感じがでてたけど、デジタルタトゥで考えたらこの先裕一は結構大変ちゃうんかなぁと思う。

でもなんか後味はよかった舞台でした。

 

楽しかった! 次はヤスの舞台です。楽しみ!!