夫の会社の先輩が先日がんで亡くなった。

2年前に異動した夫は、20年ぶりに先輩に再会したが、

その時すでにがんになられていて、闘病しながら勤務されていた。

 

2年前は私もまだがんではなかったので、先輩のことを聞いた時はちょっとショックだった。

20年前からお元気そうなイメージがあったし、夫よりちょっと年上、とお若い年齢だったから。

 

 

その後、私もがんになり、勝手に「がん友達」と思っていた。

友達といっても、病気の部分や進行具合など違うが、

「がんと診断された」ということが同じで、

自分だけではないんだな、と思える人がいる、

それがちょっとだけ心に力をくれていた。

ひとりじゃない、という気持ちは大事だと思う。

だから有名人の方が診断されたら発表されるのだと思う。

他人のことで自分の病気の状態がどうこうするわけではないのだが、

ひとりじゃない、と、言ってくれる存在はありがたい。

 

 

 

私は先輩がどのように過ごされているかは全く知らないので、この度は突然のお知らせとなったが、

きっと周りの人からみれば、ゆっくりとお別れの時間はあったのだと思う。

私の父ががんで亡くなったときがそうだった。

段々と変わっていく姿はつらいけれど。

 

 

「死ぬことは悪いことではないと思うよ」

そう夫に言った。

グリーフケアの本でも、このことは書かれている。

残された家族が強く思うのだそうだ。

何かの罰を受けたような気分になってしまうらしい。

全く関係ないのだが。

 

 

 

先輩はしっかり最後までご自分の人生を生き抜かれた。

闘病中は大変なこともあったでしょうがお疲れ様でした、という気持ちでいっぱい。

 

私の父や母、祖父母など……

先にあちらの世界へ帰った人たちを思うと

それぞれの人生、もがきながら頑張った姿を見せてもらいましたよ、

本当にお疲れ様でした、と思う。

 

 

 

 

がんは、孤独だよなあ〜と思うことがある。

一人一人違うから。

(病気そのものが、そういうものだが)

 

 

 

同じ乳がんと聞いても、

病気の進行具合や治療方法は違って、人それぞれの道を歩くのだから、

「同じ病気だから嬉しい」じゃなくて

「同じ病気と診断されてそれぞれの道を進んでいる人がいる、その存在に気づけて良かった、私もなんとかここで生きてるもんね」とその都度確認をする感じ。

 

 

 

これは、私の子どもの障がいについても、同じことが言えると思っている。

 

 

例えば障がいといっても、色々な種類があるし、

子どものように自閉症と言っても100人いれば100通り。

全く同じ人などいない。

さらに、成長していく、その先も無限大の可能性が待っていて、こんな感じの子はこう成長するとはっきり言えない。(なので子どもが小さいうちは、ふんわり、良い方向に進めばなあ〜と思うくらいが丁度いい、と思う。)

 

 

 

がんの本を読めば読むほど、

子どもの障がいがわかった時の気持ちと、それを馴染ませていく心の過程が

がんと診断された時の気持ちと同じだなあ〜と思う。

 

 

私が子どもの障がいがわかった時に心の支えとして読んでいた本

『発達に遅れのある子の親になる②』海津敦子著

の、はじめに、に書かれている文は、がんと診断された今、また読むと心に染みる。

 

人はだれしも人生の中で、どんなに衝撃を受けても、運命として受け入れざるを得ない事実に突き当たることがあります。

その事実が、自分の価値観や思い描いていた人生とずれる度合いが大きいほど、気持ちは揺さぶられます。

運命だと受け入れられるようになるまで、かなりの葛藤を要します。

それは心の強さ、弱さとは無関係です。

自分が予測したこともない現実を、人生に取り込んで、歩んでいくには時間が必要です。

我が子に発達の遅れや偏りがあった、という事実もまた、ありのままを受け入れ生きていくしかないのです。

どの親もショックから始まり、たくさんの不安・悲しみ・怒り・妬み・そして自己嫌悪、孤独…ドロドロとした気持ちと戦うことになります。

我が子とともに歩む人生には、もちろん嬉しいこともありますが、始まりは、どちらかといえばつらく感じることのほうが多いものです。

けれど、そんな行き場のない心の叫びを自分に正直になって、誰かに吐き出すことを繰り返し、「発達に遅れのある我が子は、決して親の人生の邪魔をする存在ではない」と実感を持てるようになれば、多くの親はだんだんと気持ちを整理できていきます。

葛藤のさなか、周囲に目をやれば、誰もが人生のどこかで、自分の中に潜む偏見や差別、頑なな価値観、囚われすぎている常識を、見つめなおさなければならない時が、必ずあることに気がつきます。

それゆえに苦しむときが、誰にでもあるのです。

ひとりひとりの違いを認め、心の「壁」を広げる戦いに臨むのが70代になってからの人もいます。

40代、10代のときにその戦いを迫られることもあります。

遅れのある子の親になったことは、自分に今、その瞬間がめぐってきただけで、決して特別なことではありません。

 

 

(最近漫画で海津敦子さんの本が参考文献にされたそうで。

私もすごくおすすめの本でもある。)

 

 

 

がんは、わりと人生に影響するから、全くこの文がそのまま引用出来るとはいえないけれど、

「人はだれしも人生の中で、どんなに衝撃を受けても、運命として受け入れざるを得ない事実に突き当たることがある」や

「自分の中に潜む偏見や差別、頑なな価値観、囚われすぎている常識を、見つめなおす時がある」

という部分は、再び読んで勇気をもらえる。

「がんは人生を邪魔するものではない」と言い換えることができるならいいな〜とも思う。

 

 

ちなみに私が自閉症の子を育てて学んだことは……

 

・自閉症のような発達のグラデーションは誰も持っていて、濃い、薄いというだけで、みんな一緒!

・特別支援の世界にいる人は優しくて穏やかな人が多い(そうじゃない人もいるけど)

・見通しを立たせることが大事

・「こうであるべき」と思っていると、そうで無くなった場合、心は傷つく(だから、決めつけない。多くの選択肢を心に持っておく)

・私が子どもに教えていなことを、子どもが知っていることがあるということが子育ての醍醐味(本当の面白さ)

・障がい者とは、助けのいる人のこと。誰もが人から助けられて生きているのだから、みんな障がい者♡(もしくは障がい者とわざわざ言わなくていいんじゃない?)

 

 

 

検査を受けて結果を待つ時。

すごくドキドキする。

「異常はありません」という未来と

「異常が見つかりました」という未来がある。

 

何もない方がいいけれど、そう思って何か異常が見つかると二重に心が傷つくので、

「色々な結果があるよなあ〜」とそこで考えるのをストップ。

それから、結果を聞く日まで、もう全く違うことを考える!

流れを掴んでいけるよう、今この考え方(必要以上に心配にならない)の練習中だけれど、

子育てから学んだことなので、せっかくだからやっていければ〜と思う。

 

 

 

 

数ヶ月前、がんのママ(若いお母さんが多かった)の集いというものに参加してお医者さんのミニ講演会を聞いた。

「主治医とコミュニケーションを取る患者力を上げよう」といったような内容のお話だったので

「これは!」と思い聞きに行った。

 

 

定期通院の診察は、数分で終わるようにと、つい自分を引っ込めてしまいがちだが、

「自分を知ってもらうための情報はぜひ主治医に伝えてください」と言われていた。

雑談ではなく、ポイントを押さえた話をする……

これは、今まで子どもの申請等で役所やお医者さんと話してきた経験があるから、出来るかも!と思えた。

 

また「ステージ4から回復された方の本には良いヒントがある。だから本を読んでみたらどうでしょう」

と言われていた。

なるほど〜と思い、闘病記を読むようにしてみた。

本屋さんや図書館、あちこちウロウロ……

 

 

そして出会ったこちらの漫画。

 

『がんの記事を書いてきた私が乳がんに?!育児があるのにがんもきた』

藍原育子(原作) 内野こめこ(マンガ)

がんは「悪いところを切って終わり」という病気ではありません。

手術という大きな山を超えた後にも、入院中に衰えた気力や体力、痛みを抱えながら「治療」という新たな柱を抱えて生きていかなければなりません。(中略)がんになったのは、あなたに落ち度があったからではありません。がんはある日突然あなたの人生に訪れる嵐のようなものです。いま嵐の真っ只中にいる人が、少しでも穏やかな場所で心を休めることができますように。心の専門家の温かいアドバイスを胸に、前を向いて歩いていけますように」

 

お子さんへの、がんの説明の仕方がとても参考になった!

ライターとして、どこか一歩離れた場所にいたけれど、いざ当事者になってみると、どう変化したか……

自分の気持ちをそのまま書いてもらえて、自分もそうだ、と安心できる人もいると思う。

生き続ける(サバイバー)仲間の物語、という感じ。

 

 

また、こちらの本、

『がんになった人だけが知っている人生で大切なこと』

坂下千瑞子(著) 横濱マリア(漫画)

 

がんになっても人生は続いていきます。

がんになってからの人生をよりよく生きることがとても重要だと思います。(中略)

「がん患者はかわいそうだ」と思われることがよくあります。

しかし私は「かわいそう」ではなく、彼らの病気と向き合う勇気を讃えて「すごいね!」と称賛の声を贈りたいと思っています。「がんになっても明るく生きていい!」こんな社会になってくれたらいいなと。

 

お医者さんである坂下さんががんになり、その経験が漫画になっています。

テレビで見かけた「RFL」(リレーフォーライフ)という活動に参加され、そこで出会った色々ながんの患者さんの体験談もあり、こちらもおすすめの一冊。

「おわりに」が一番好きな文章です。

 

 

 

 

 

また、

『明るく前向きになれる乳がんのお話』

南雲吉則(著)

タイトルに惹かれて手に取りました。

お医者さんである南雲さんの、乳がんの解説の本です。

医学的な解説もわかりやすく、淡々とされているのがいいです。

やっぱり、「手術後、どう生きていくか」を教えてもらえる本です。

 

 

 

 

 

 

読めば読むほど、障がいについての考え方と似ていることに気づきます。

 

子どもの障がいを告知され、その後どうやって生きていくのか……!

 

がんと診断され、その後どうやって生きていくのか!

 

 

まだまだ模索中!