2024/03/27


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今年の桜を初めて

見た日は

冷たい雨の朝だった

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幼いあの日も冷たい雨の朝

なんとなく

人の気配で目が覚めた

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とうちゃま…またいつかね

確かに

そう聞こえたのだけれど

半分

寝ぼけていたので

うん…と

云いながら…もう一度

布団を被った

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起きる時間になっても誰も

起こしてくれず

一人で台所に行った

他人祖母とハル婆がヒソヒソと

話していた

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ハル婆は梅も幸せになれないのに

全くと言い

他人祖母は今度こそ幸せになって

欲しいと言っていた

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手伝いの梅ちゃんが

恋人と駆け落ちをしたと知ったのは

ズッと後だったけれど

他人祖母の

今度こそ幸せになって欲しいと言う

言葉だけは

今でも残っている

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毎年毎年

結婚記念日間際は追い込み中

毎度毎度

今年も同様に気がつけば過ぎている

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既に幾日も過ぎているのに

今朝は

伯母が電話口で泣きながら

今度こそ

しあわせになれと云っていた

言葉が

妙に思い出された

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北風吹く春まじかの日

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🔷All of you🔷

手放して気がつくより

辛抱と我慢で

持ち堪えた日々が何故か?

愛おしく思えた

それはそれで人として

成長

出来たのかな?とふと

思う

幸せって

つかむもんかもしれない

貴方も貴女も幸せ

つかんで

訪れる方に…やすらぎを

去りゆく方に…しあわせを

日々は愛おしく日々は奇跡

今日ある日に《感謝》一日一笑

とうこ