2023/04/08
♦︎
春の嵐が去り鶯の歌声で目が覚めた
朝
しかし相変わらず姿は見えない
それでも
移ろう季節を知らせようとしている
いじらしい鳴き声
♦︎
漸く霞空から蒼が現れた
穏やかな週末
♦︎
♦︎
【2019年4月10日】
♦︎
久方ぶりにYから
「いよいよ夫が緩和ケア病室に入る」と
連絡があり
あたしは直ぐに高速に乗った
♦︎
両国ジャンクションは渋滞箇所
在りし日の
彼の姿を思い浮かべ墨堤の桜を
眺めながら運転をした
♦︎
【還暦】大腸ガン手術その後に肝臓ガン手術
医師から嬉しい手術報告を受けた後の
3ヶ月健診で突然
【余命宣告半年】を告げられた
そして
抗がん剤治療を拒否
自然に任せ【5年生存】を果たした
家族・親兄弟と共に悔いのない
刻を過ごす
♦︎
♦︎
友の夫O氏では有ったが若かった時代
一緒に駆け抜けた一人
♦︎
生家は北海道登別【水産会社】二男
横浜の大学に進む
語学に才能があり学生時代は鎌倉にて
観光通訳をしながら
アルバイト料の代わりに外国人から
生の英語を習う
当然ながら歴史書も読み漁り
外国人に伝える
一石二鳥のアルバイトと彼は笑う
♦︎
昭和の真っ盛り1970年代
当時の学生は
カラダ使って汗を絞り【体得】
アタマ使って知恵をしぼる【会得】
平成の生ぬるい
お子ちゃまとはチトわけが違う(笑)
♦︎
卒業後はW会社レース部門に勤務
フランスカレ地方に単身赴任
現地調達にてフランス語を体得・会得
♦︎
そして産まれて初めて付き合った当時の彼女が
あたしの友Yだった
♦︎
国際電話料金がベラボーな時代
給料の大半を使い両親を心配させたが無事に
ゴールイン
O氏【北海道】Y【沖縄】
♦︎
彼は
素晴らしく繊細で品の良い
リバーレースのウェディングドレスを
Yに贈る
*キャサリン妃のドレスにも使われた*
♦︎
ある日O氏は云う
♦︎
巴里の誰よりも可愛いマドモアゼル
♡Y♡
彼は一生一筋にYを愛した
♦︎