2022/07/14

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ほんの僅かな
柔らかな影が現れた
その影に後押しをされるように
起きる
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連日の低気圧の居座りに体調が
思わしくない
束の間の陽射しが織りなす影は
スマホを向ける間もなく
消えた
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束の間が愛おしい
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♦︎横浜山手の空♦︎

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平成は災害の多い年号だった
誰もが穏やかを求める
令和
しかしながら自然は矛先を
治めてはくれない
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【2019.7.2最上川氾濫・再編集】
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幼いあたしは
昭和42年8月26日から29日に発生した
集中豪雨【羽越豪雨を経験した
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最上川上流に建つ老舗割烹旅館二見屋
伯父が経営していた
伯父は神童と呼ばれ予科練に入隊
戦後は様々な事情から炭鉱夫となり
後妻の継母より
二見屋を取り戻した苦労人だった
共に歩んだ伯母が生母の実姉
伯父はあたしを
ねこかわいがりをして
養女に欲しいとの気持ちまであった
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夏休みは毎年二見屋で過ごした
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山形県の朝日連峰に抱かれて
目の前は豊かな自然を育む最上川
旅館に掛かる吊り橋
緩やかな支流での川遊び
投網の罠に掛かった昆虫群
早朝には伯父の小舟に乗り鮎を釣りにゆき
朝靄煙る向こうに見渡す山と川
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自然はお友達と心から
そう思えた
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昭和42年8月26日
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辺りが暗くなってからも振り続ける雨
屋根を打ち付ける荒々しい音
川の水位上昇を告げる
警報音
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生まれて初めて恐怖を感じる
雨だった
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旅館の山側には、お蔵があった
お蔵とはワラビやゼンマイの山菜類を
貯蔵保管している蔵
お蔵の入り口には山の湧き水が
ちょろちょろと流れ小さな池になっていた
スイカやトマト桃や瓜を冷やす
天然の冷蔵庫
産毛のあるトマトに
砂糖を付けて其処で食べるのが大の
お気に入りだった
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氾濫の数日前から
お蔵に暮らす主様の姿が消えていると
伯母が中居さん達と話していた
主様とは牛乳瓶より太い
アオダイショウ
お蔵の高い天井の梁に住む
主様
お蔵に入る度に襲われないかと心配で
上ばかりを見上げては躓き転び
擦り傷をこしらえていた
あたしは、これで躓かないと
内心ホッとしていた
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その主様が消えた
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🔷All of you🔷

束の間の陽射しに間髪を入れずに

動いたけれど

重怠い体を持て余し気味の午後

眠ると船に揺られるように

海の底に引きずりこまれるように

目眩の連続

眠れぬ夜を過ごしたの

みなさまは

お健やかにお過ごしください

日々は愛おしく日々は奇跡

今日ある日に

《感謝》

♡とうこ♡

あっ🤭だいすきな人

充分な睡眠を

お願い