2021/06/20
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♫寺内タケシ氏・エレキの神さま♫
昭和の燈が…また…ひとつ消えた
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横浜関内に事務所を構え
♫寺内タケシとブルージーンズ♫
大型バスが懐かしい
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仲間たちの親は
子供を叱りつけ始め
Mみちゃんのお父さんに
頭を下げた
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そして…仲間たちは親に泣きながら
謝り始めた
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父ちゃんは…相変わらず
静かに
あたしの顔を見ている
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でも…あたしは…どんなに見られても
決して
たじろがなかった
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Mみちゃんは…ずっと下を向いていた
その姿に…あたしは…なんだか
可哀想になってしまった
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お店のお金を盗んでまで
みんなに奢り
好かれようとするMみちゃん
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きっと…一人は淋しく
きっと…一人は
心細かったのだろう
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転校生の気持ちが良く分かる
あたし…だった
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Mみちゃんのお父さんが
なぜ…お前は謝らない…と
あたしを責め始めた
あたしは…一言も言い訳をせず
Mみちゃんのお父さんを見ていた
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それから謝らない父ちゃんに
文句を付け始めた
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父ちゃんは…暫く黙っていたが
子を信じるのが親だ
と…言った
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そして…あたしの手を繋ぎ
サッサと引き上げた
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すると…Mみちゃんのお父さんは
また真っ赤な顔をしながら
訳の分からない言葉で(ハングル語)
ツバを飛ばしながら怒鳴っていた
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父ちゃんは…
あたしの手を握りながら
良く辛抱したなあ…と
言った
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うん!父ちゃんが辛抱しろ!と
言ったから
そうか…これからも
辛抱しろ…と
また
言った
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父ちゃんが繋いだ手を
ギュッと握りしめた
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あたしもギュッと握り返した
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まんまるな
お月さま
が
笑った
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その数日後…Mみちゃんのお父さんが
ウチに訪ねてきた
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父ちゃんと暫く話して
酒を飲み始めた
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帰り際にMみちゃんのお父さんが
あたしの頭を撫でながら
またMみと遊んで欲しい…と
言った
あたしは…うん…と
言った
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そして…父ちゃんは
丸清の若い衆に数人の韓○人を
雇った
その後も…在日○○人を季節労働者として
何十人も面倒をみた
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また…あたしは…サイクリング車に
乗り遊んだ
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砂利道を走って転んだり
それでも起き上がり
また…乗る
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膝小僧を擦りむき突き指しては
ちゃあちゃんに…怒られながらも
乗って遊んだ
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暫く…クリーニング屋のお兄ちゃんを
見かけなくなり
少し心配になっていた…ある日
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クリーニング屋のおばさんが
サイクリング車を持って
ウチに来た
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ちゃあちゃんと二人で泣いていた
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訳を聞いて
あたしも泣きたかったけれど
上を向いた
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お兄ちゃんは小児癌で
亡くなった
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昭和ジャリン子時代
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謝恩会でベニヤ板のギターを弾いたH
永ちゃんに…小遣いを貰い
アメリカに渡った
そして…帰国後エンタメ業界に入り
40年…未だ無事に会社経営
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絵が上手く…口も上手い
クラスの人気者S
一級建築士
図面に夢を描いている
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皮肉屋ながら情にもろく
ラジオを分解しては…組み立て
感電しても…めげないR
原発炉心担当・技術者
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そして…あたし
夢は
社長(爆笑)
なんでまた不動産屋(笑)
とりあえず
夢
実現
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語り尽くせない物語を
与えてくれた
父
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どの物語も愛おしく
あたしの人生を
彩り
輝き
勇気
を
与える
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そして…あの日
が
今でも…あたしに
語る
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生きて
…
生きて
…
生き抜け
…
と
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父の日
如何お過ごしかしら
♡
とうこは…父との思い出
♡
昭和ジャリン子時代
♡
みなさまに
お読みいただき
嬉しい
♡
佳い父の日になりました
♡
《感謝》
♡とうこ♡