2021/06/15
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昭和の父像が
また…一人旅立った
小林亜星氏
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昭和の時代は…
さまざまな集団ワクチン接種が
行なわれた
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インフルエンザ
ツベルクリン反応後のBCG
…
一列に並び腕を出し
痛くても友の手前
我慢をする
子供たち
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あたしは…じっと
校医さんの仕草を観察する
…
注射器から空気を抜き
液体が少し溢れ
アルコール綿で腕を消毒する
…
そして…針の先から液体が入ってゆく
様子を見届ける
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終わって視線を上げると
三銃士が
戯けながら
見守ってくれていた
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当時のBCGの傷痕は
瘡蓋になり悲惨だった
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特に暴れる体育の時間
いたい…と…感じると
体操着の上から血が滲んでいた
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ある日…校庭で
ドッジボールをしていた
当たると…熱いように痛いボール
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S子ちゃんが
あたしを
目掛けて投げてきた
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あたしは…後ろに居た子が気になり
避けきれなかった
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そして…運悪くBCGの傷痕に
当たってしまった
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瘡蓋が剥がれ
みるみる体操着の袖が
紅く染まった
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その腕を血が流れぬように
あたしは…強く傷口を押さえ
S子ちゃんから
視線を外さなかった
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最初から狙っていた事には
気づいていた…だから
痛さより
やられた❗️と言う気持ちが
勝った
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体育の時間が終わり
一例に並んだ
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あたしは…ツカツカとS子ちゃんに
近づき体操着の後襟首を
掴んだ
そして…牛乳瓶に詰めていた
毛虫を
その背中に
入れた
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大騒動になった
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その日の夜
学校に双方の親
PTA関係者が集まった
あたしは…玉子かけご飯を二杯食べて
ふた親と出席した
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烈火の如くS子ちゃんの親は
怒りまくり
…
父ちゃんは…
腕を組み…じっと聴いていた
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そして…
あたしとS子ちゃんは
睨めっこをしていた
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暫くすると…父ちゃんの
ゲンコツが降って来た
いたっ❗️
と…あたしは…言った
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そして…父ちゃんは…
S子ちゃんの親に向かい
喧嘩両成敗
お宅も一発ゲンコツを
浴びせてください
と言った
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そして…あたしの手を繋ぎ
サッサと引き上げた
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父ちゃんは…
あたしの手を握りながら
痛かったか？
痛くないよ❗️
と…あたしは…言った
とうこ…これから…もっと
辛く哀しく
心悼む事がある
辛抱しろ
おまえが家を守るんだ
総領娘は泣いてはいけない
一人に強くなれ
と…言われた
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あたしは…泣きそうになり
上を向いた
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父ちゃんが繋いだ
手を
ギュッと…握りしめた
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あたしも
ギュッと…握り返した
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まんまるな
おつきさま
が
笑った
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人生の季節
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どの季節にも
それぞれの
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花
が
咲く
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🔷All of you🔷
すこしの晴れ間
とても貴重に感じる
朝
ネ
♡
6月20日
父の日
♡
🔶昭和の父と娘🔶
♡
笑って
ネ
♡
あっ🤭だいすきな人も
爽やかな
風
感じているかなぁ
♡
《感謝》
♡とうこ♡