2021/06/14

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いよいよ横浜も梅雨入りした模様?
いつの頃からか
曖昧な物言いになったのだろう?
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人は嫌われる事を怖れ横並びを良しとし
平坦な道に進む事を称賛する
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人さまに躾られる事を極端に嫌い
不得意な事には手出しをしなくなった
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またTV放映では
家庭の事情や悪事が露見すると
自ら退き
蓋をし謝罪で済ます映像が流れる
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昭和の時代は…その様な行為を
潔し
としなかった
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あたしは…昭和のど真ん中の
10月中旬
秋晴れの日曜日に産まれた
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父は帆船のテッペンに登っていた
「オヤジ産まれたぞ」
若い衆から知らされ性別を質す事もなく
「腕はあるか?足はあるか?
手足の指は五本あるか?」とだけ
尋ねたそうだ
器量より五体満足を心配した
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そして世帯道具は
林檎の木箱と七輪だけの家に帰り
母に握り飯を握り
食べさせた
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ある幼い日の昼下がり呼び鈴が
鳴り響いた
あたしはクレヨンで大好きな花の絵を
描いていた
「うめちゃん、はるばぁ、お客さまよ」
あたしは画用紙に向かったまま
叫んだ
誰の返事も無い仕方なくクレヨンを置き
玄関に向かう
いつもなら直ぐに開ける事などない
扉を
その日は開けた
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パナマ帽を被りトレンチコートを着た
男性が立っていた
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帽子を取り
その眼と合った
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なぜか
懐かしかった
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その数日後
他人祖父と通っていた小学校にゆく
シスターに頭を撫でられ
「いつでも訪ねていらっしゃい」と言われた
あたしは訳が分からなかったが
「はい」と答えた
そして翌日から丸清一家での暮らしが
始まった
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新しい小学校での挨拶
あたしは正面をしっかり見据え
自分の名前を
はっきりとした大きな声で
名乗った
クラス中が静かになった
あたしは恥ずかしくなったが決して
下を向かなかった
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担任に言われ
あたしの面倒を任された
三人の男子がいた
【三銃士】
友情の始まりだった
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昭和の時代
転校生は何かと標的にされた
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その子は(S子ちゃん)
養女で陰では(貰いっこ)と呼ばれていた
しかしながら親がPTAの役員をしていた
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当時PTAの役員をしている親を持つと
先生に贔屓された
いわゆる依怙贔屓(エコひいき)
先生も一目置く子だった
ある日
理科の授業で校庭の隅に育てていた
朝顔の水やりをしていた
S子ちゃんはジョウロを持ちながら
とうこちゃんの朝顔にいっぱい
お水をかけて腐らせちゃおう
ジャブジャブかけ始めた
赤ちゃん双葉が水の勢いで土から
流されそうになっている
周りの子たちは
S子ちゃんを止める事もなく
只…見ている
あたしは…幾度も
やめて
お願いをした
余計にエスカレートしたS子ちゃんは
更に赤ちゃん双葉に水をかけた
漸くジョウロに水が無くなり
とうこちゃんジョウロ片付けてね
と言い立ち去った
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一人になったあたしは
泥に埋まった赤ちゃん双葉を
そっと指先で持ち丁寧に土に植え直した
涙が溢れそうになったが
鼻の穴を膨らまし唇を噛み
負けない…と
自分に言い聞かせた
転校以来
S子ちゃんの度重なる意地悪に
遭ってはいたが
決して
ふた親には言わなかった
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あたしは赤ちゃん双葉の無事を祈りながら
ランドセルを背負い
泥だらけの運動靴のまま
一人
歩いた
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突然背中が軽くなった
三銃士が駆け寄りランドセルを
持ち上げた
ごめんな
言った
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そして歩きながら
学校の校歌と横浜市歌を教えてくれた
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一例に手を繋ぎ歌いながら帰った
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あたしは翌日の音楽授業で
歌えた
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S子ちゃんは…
びっくりした顔を
あたしに
向けた
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🔷All of you🔷
いよいよ梅雨入り
雨の日も
晴れる日も
それなりに楽しもう
Penさんが
とうこをイラストにしてくれたの
おばあちゃん姿が笑えるわ
笑って
♡ 
笑いが一番
あっ🤭だいすきな人も
いつも笑うの
安心するの
笑おう
《感謝》
♡とうこ♡