2020/07/16

毎日…変わらぬ鈍色の空
港町ヨコハマ
潮の匂いより
雨の匂い香る
横浜山手の空

あたし・は…
平成元年1989年
縁があり…尼崎に居た
ある議員の
選挙手伝いをしていたのだ
そして…その目まぐるしい
日々は…あたし・の
人生の座標を
決定付けた

ある日…甲子園口で聴いた
土井たか子氏…街頭演説
野太い声…強い眼差し
マドンナブーム
名言…山が動いた
今でも…鮮烈に蘇る

そして…その勢いに背を押され
バブルに湧く…ヨコハマ
街も人々も…キラキラ煌き
辛い事も…悲しい事も
全て飲み込み
泡沫の…儚い酔いに
身を任せていたヨコハマに
再び…舞い戻った

先ずは…住まいの確保
そして…法律の諸手続きの煩雑さ
凹んだ
書類一枚…取り寄せるにも
やれ…除票・印鑑証明・年金等
前夫に連絡しなければならない
見かねた前夫が
「もう一度…入籍しよう」と提案
またまた
紙切れ一枚の夫婦となった(笑)
嫌いじゃなかったから
簡単だった
ひとつの…グレーゾーンを除けば

そして…あたし・は
ヨコハマ…老舗宝石チェーン店に就職
間なしに…ヘッドハンティングにより
某百貨店
宝飾売り場に勤務した
ブランド宝飾
高額なら高額な程
競うように…
飛ぶように売れた時代だった
当時のヨコハマ駅周辺は大渋滞
駐車場に入るにも
2時間待ち…なんて当たり前
周辺のレストラン・ホテル
予約・満席満員・御礼
今では…全てが
砂上の楼閣のようだ

ある日…背後から
声を掛けられた…
驚く事に…前職の会社
役員H氏だった
懐かしさが込み上げた
相変わらず細身で背が高く
ダンディだった
当時…三高
高身長
高学歴
高収入
三拍子…揃った人だった
数年ぶりの再会だったのだが
笑うと…思いっきり
目尻が下がる
柔和な笑顔
何処かで見た眼差しだが…
思い出せない
不思議な感覚が
もやもやと漂った

数日後…H氏の企画で
前職の仲間や先輩たちと
弾け飲みをした
アイスペールに
氷をクラッシュ
ヘネシーを注ぎ
ジャンケン
負けた人が飲む
そして…仕上げは
カクテル…ヨコハマ
あれは…爆弾酒だ
記憶が飛んだ(笑)

あたし・は…H氏と並び座る
酔いが回りながらも
どこか覚めていて
お互いの腿の温もりが
妖しげに伝わる
何かを予感させる
あたたかさを感じていた


あいする♡みなさま
お盆は…人偲ぶようです
フィクション
ノンフィクション
混在しておりますが
お付き合いください
♡とうこ♡