2019/06/09

はるかな…いにしえ

梅雨空…しとしと…梅雨冷えの日

オトコ・と…観覧車に乗った

誰も…乗っていない

あたし・は…オトコ・の…胸に…顔を埋め

匂いを確かめる

オトコ・の…微かな…ワキの匂いと

ボディソープが混じった…独特な匂いがする

あたし・潔癖症…なのに

気にならない…それは

オトコ・を…好き…という理由では無く

過去の…記憶の匂い…なのだ

父の匂いだったり

兄・弟の匂いだったり

懐かしい…匂い

だから…あたし・は…コロンを

まぶしている…オトコ…が…嫌い






オトコ・の…胸に…顔を埋めながら

街を眺める…何も変わらない

雨に煙る…街が…存在している…だけ

でも…その日は…違っていた

鈍色の梅雨空の隙間から…茜色が溶け込み

水面に…マーブル模様を描き始めた

そして…色とりどりの…灯りが

浮かび始め…遠い…あの日に戻っていた

それは…花形の舟に乗せた…花蝋燭

あの日…あなた…と…浮かべた…願いの花舟

ぷかり…ぷかり…と…武庫川を流れ

想いを乗せ…流れ行く…別離舟




観覧車が…ガクンと音を立てた

あたし・は…薄眼で辺りを見渡す

泡沫の夢…を見ていたようだ

相変わらず…悪い癖…オトコの胸で

違う…オトコ・の…夢見る
あ・た・し



梅雨空…梅雨冷えの日曜
しとしと
うとうと
ゆらゆら
揺蕩われます事
珠響《祈》


☆ファンキーさん❣️
☆リブログさせて頂きます☆