今回は、今年の10月17日に神宮にお参りした際に拝見した神嘗祭の様子についてお伝えしようと思います!💁‍♂️


神嘗祭に際して、板垣には懸税(かけちから)が懸けられます。

懸税とは、刈り取った稲穂を揃えて束にしたものです🌾



上の写真は、皇大神宮別宮の「風日祈宮(かざひのみのみや)」の板垣に懸けられていた懸税です。

因みに、皇大神宮・豊受大神宮の両正宮の板垣には、天皇陛下が皇居で育てられた稲が懸税として懸けられます✨


神嘗祭で供えられるお米は、伊勢市楠部町にある神宮神田(じんぐうしんでん)で育てられています。

倭姫命が定められたと言われ、五十鈴川の水が引き入れられています。


(2020年9月の写真です)


刈り取られた稲は、皇大神宮においては参道途中にある「御稲御倉(みしねのみくら)」において保管され、神嘗祭以降の祭典で供えられていきます。



神宮の御正殿の建築様式である神明造を間近で見ることができます👀


さて、神嘗祭の中心的な行事である奉幣(ほうへい)は、正午から執り行われます。

宮中から天皇陛下の使いである勅使が参向され、祭主、大宮司以下の神職が奉仕して行われます。

天皇陛下からのお供物である幣帛(幣帛)が供えられて、豊作であることの感謝と国家・国民の繁栄が祈念されます。



先頭の緑の装束の2名が担いでいる木箱を辛櫃(からひつ)といい、中には天皇陛下からの幣帛が納められています。

後ろの黒い装束の方が勅使です!


その後ろの女性の方から後ろが神宮の神職になります。

通常の神社では、宮司がその神社の代表者(責任者)になります(企業における社長)。

ですが、神宮においては宮司の上に祭主(さいしゅ)という役職が置かれています✨

祭主とは、天皇陛下の大御手代(おおみてしろ)として神宮に奉仕する役割を担う方で、皇族又は元皇族が天皇陛下より任命されて御奉仕されます。

現在は上皇陛下第一皇女子の黒田清子様が御奉仕されています。

因みに、大御手代とは天皇陛下の手の代わりとなって天照大御神にお仕えする、という意味です👆



御歌 静(平成26年)

み遷りの近き宮居に仕ふると

瞳静かに娘(こ)は言ひて発つ


上の御歌は、上皇后陛下が皇后であられた平成26年の歌会始で詠まれたものです。

平成25年に行われた第62回神宮式年遷宮において、現祭主の黒田清子様は当時神宮祭主であられた池田厚子様(昭和天皇第四皇女子)のお支えとして臨時神宮祭主に就任されていました。

この御歌は、臨時神宮祭主として神宮に参向される前に天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)にご挨拶に訪ねられた際の様子を詠まれたものです。


祭主は、しばしば斎王(さいおう)と混同されがちです💦

斎王とは天照大御神の御杖代(みつえしろ)として神宮に奉仕した未婚の皇女です。

7世紀に制度が確立し、南北朝時代まで60人以上が奉仕をしました。

対して、祭主は天皇陛下の大御手代として奉仕する皇族又は元皇族であられた方で、その性別は問いません🙅‍♂️


また、通常の神社では宮司は1人だけなのに対し、神宮では大宮司・少宮司の2名宮司が置かれています。

大宮司は旧華族の家柄から選ばれ、現在は旧久邇宮家のご出身の久邇朝尊(くに あさたか)氏が奉仕されています。

祭主、大宮司のいずれも、天皇陛下の任命によって定められるのです。


勅使、祭主、大宮司以下神職が正宮へ参進すると、奉幣の儀が始まります。

正宮の四丈殿では幣帛読合(へいはくとくごう)の儀が行われます。

これは、祭主が勅使が奉じた天皇陛下からの御幣帛と送文(おくりぶみ)を照らし合わせて間違いがないことを確認するものです。

その後に大宮司、少宮司が御正殿の御扉を開き、祭主が殿内へと進みます。

御幣帛が奉納され、勅使が御祭文を奏上されます。

続いて、大宮司が祭主から祝詞を受け取って祝詞を奏上します。

その後、大宮司、少宮司が御祭文を殿内に納め、御扉を閉じます。

最後に、勅使、祭主、大宮司、少宮司、禰宜が太玉串を奉り、神職が八度拝をして終了となります。


尚、神嘗祭はその後10月25日まで神宮の125全てのお宮で祭典が執り行われていきます。


国安かれ、民安かれと祈られる天皇陛下の祈りと共に神宮はあり、天皇陛下に代わって神宮をお守りしているのが神宮の神職たちなのです!!


秋の実りの季節を迎えて、我々もご飯を頂く際には神様と自然の恵み、そしてそれを支えてくれる方々に感謝を改めて忘れずにしたいものですね😌