さて、本日は10月17日に神宮で斎行された神嘗祭(かんなめさい)についてご紹介しようと思います!💁‍♂️


神嘗祭とは、その年に収穫された新穀を天照大御神にお供えする神事で、神宮の年間の祭典で最も重要な神事です👆


神嘗祭は10月15日から始まります。

まず、皇大神宮(内宮)の地主神である興玉神(おきたまのかみ)に奉仕員が過ちなく奉仕できるよう祈願する、興玉神祭(おきたまのかみさい)が行われます。

引き続き、奉仕員が神嘗祭の奉仕に適うかをお伺いする御卜(みうら)が行われます。


同日午後10時より、豊受大神宮(外宮)にて由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)が奉仕されます。

「由貴」とは、清浄な・この上なく尊いという意味です。

今年収穫されたお米を飯に調理したもの、酒、鰒など30を超える品目の神饌(しんせん:神様へ供える食事)をお供えします。

翌16日午前2時より、由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)が奉仕されます。

神饌の品目や神事の次第などは、由貴夕大御饌と全く同じです。



上の図は、由貴大御饌の配置図です👆

お酒4種に鮑、ご飯、野菜、海藻、魚など30品目以上がお供えされるご馳走である事がわかるかと思います✨


同日正午、奉幣(ほうへい)が奉仕されます。

天皇陛下の使いである勅使(ちょくし)参向のもと、天皇陛下よりの幣帛(へいはく:ここでは神様に供える布帛)が供えられ、勅使が御祭文(ごさいもん:勅使が奏上する祝詞)を奏上されます。


同日夕刻、御神楽(みかぐら)が奉仕されます。

神宮楽師(じんぐうがくし:神宮で雅楽を奉仕する職員)が御神楽を奉仕して神様を和めます。


同日午後10時より皇大神宮(内宮)において由貴夕大御饌が奉仕され、以下豊受大神宮(外宮)と同じ流れで神事が奉仕されていきます。

そして、25日まで別宮・摂社・末社・所管社の全てのお宮で神嘗祭が斎行されていきます。


神宮は、外宮先祭(げくうせんさい)です👆

天照大御神のお食事を司る(=御饌都神:みけつかみ)豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)で最初にお祭りを行うのです✨


尚、神嘗祭に際して宮中で天照大御神をお祀りする賢所(かしこどころ)においても同様に祭典が行われ、また全国の神社でも神嘗祭を奉祝して神嘗奉祝祭(かんなめほうしゅくさい)が執り行われます。


さて、似たお祭りで11月23日に行う新嘗祭(にいなめさい)があります!

新嘗祭とは、その年に収穫された新穀を天皇陛下御親ら天神地祇(てんじんちぎ:天の神様・地上の神様)にお供えして、天皇陛下も召し上がる宮中で最も重要な神事で、全国の神社でも行われます👆

天皇陛下が全ての神様に新穀をお供えするのに先立って、まず神宮で天照大御神に新穀が供えられるのです!


ここまでの説明で、神嘗祭がどのような神事かある程度ご理解頂けたでしょうか?😊

神宮のお祭りは、神嘗祭のためにあると言っても過言ではありません。

年初めにはその年の豊作と産業の発展を祈る祈年祭(きねんさい)を行い、3月春分日には神宮の年間の祭典で供えられる野菜・果物の豊作を祈って、これらを栽培する神宮御園で御園祭(みそのさい)が行われます。

4月になると、神宮の神事で供えられるお米を栽培する神宮神田で田んぼの耕作始めと種まきの神事である神田下種祭(しんでんげしゅさい)があり、初夏になると田植えとなります。

9月には豊作に感謝して稲を刈る抜穂祭(ぬいぼさい)が行われて、収穫された新米が神嘗祭で初めて供えられるのです🌾

また、10月には神嘗祭で供える酒が麗しく醸造できるよう祈願する御酒殿祭(みさかどのさい)が行われ、年間の神事で供える塩を焼き固める際には御塩殿祭(みしおどのさい)がそれぞれ行われます。🧂

こうして、神嘗祭を迎えるのです✨

因みに、神嘗祭を基準に全ての祭器具を新しいものにするそうです。


今回は解説がメインになってしまいましたが、次回は実際の神嘗祭の様子をお伝えしたいと思いますので、ご期待下さい😉