令和 2年 10月 8日 決算特別委員会より

 

◆沢村信太郎委員 
よろしくお願いいたします。
 私からは、予算説明書の376ページ、みどりバス事業経費について、引き続いて少しご提案を申し上げたいと思っております。
 先日、お話しをさせていただきましたとおり、公共交通において、特に練馬区事業としては、このみどりバス事業ですけれども、例えば、この福祉の観点からも必要で、利用ニーズはあるけれども、利用ボリュームが少なくて採算性に課題がある。そのような課題のソリューションの一つと思われる、このAIを利用したデマンド交通の実証実験をご提案させていただきました。
 それで、この運用スキームから、利用者獲得のアドバンテージについてお話しをさせていただいたのですが、事業収入の面でも様々な工夫をされておられます。
 その仕組みは、このAI運行バスアプリを通じて乗車予約をした乗客にクーポンを発行したり、店舗でのイベントやお得なフェアなどの案内をプッシュ通知をすることによって、この外出機会を創出して、域内経済の活性化を図り、また、アプリ利用状況を分析して、住民の店舗ごとの利用状況や需要予測を可視化するなどして、店舗への具体的なメリットを提供することによって、この事業の協賛金を得やすくするなどして、マネタイズするものであります。
 一方で、このような取組は、地域状況にもよるかもしれませんが、現行のみどりバス事業にも合ったやり方で十分に応用が利くものと思われますが、このことについて区のご所見をお伺いしたいと思います。
◎交通企画課長
平成29年3月に改定いたしました公共交通空白地域改善計画におきましては、路線バス等の導入が困難な地域について、乗合タクシーやデマンド交通システムなどの新たな交通手段を検討することとしております。
 今、委員からご紹介いただいた事例を含めまして、近年は事業主体が自治体単独ではなく、民間事業者等と連携して行うなど、新たなコミュニティ交通の取組や社会実験が行われております。
 地域特性であるとか、利用者ニーズ、採算性の視点等に着目しながら、先進事例を収集して、練馬区に合った新たな交通手段の可能性について検討してまいります。
◆沢村信太郎委員
ちなみに、マネタイズではないのですけれども、この事業の中で地域の病院と連携をして、病院予約のリマインド通知と連携をした、このAI運行バスの予約も可能にして、通院忘れ防止ですとか、あるいは、通院時における交通の利便性向上を図る取組もあったようであります。
 この様な実証実験は全国各地で行われておりまして、その地域の実情とか環境に合った、様々なスキームで行われております。ですので、このデータもかなりたまってきているのではないかと思いますけれども、こういったものを利用して、今後、高齢化の進展による、公共交通のあり方は間違いなく変化すると思われます。
 今は駅から800メートル以上、30分に1便以上通過するバス停から300メートル以上離れた地域を公共交通空白地域として設定をして、そのエリアを優先的に解消していくとの区の方針であります。
 一方で、この民間のテクノロジーやアイデアを積極的に取り入れた事業展開によって、空白地域そのものの定義を見直すことが可能となったり、あるいは、資本と時間のかかる道路インフラの整備をすることなく、課題解決が可能になることもあるかもしれません。すなわち、現在の区の方針施策を進める一方で、テクノロジーの進展を反映して、時代のニーズに合った持続可能な公共交通のあり方も、区には積極的に検討していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。