【将来を見える化しなくちゃ!】 | みす しんたろう〔三栖 慎太郎〕の『みんなの政治』ブログ

【将来を見える化しなくちゃ!】

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【将来を見える化しなくちゃ!】
軽いタッチの題名ですが、
これ、ものすごく重要です!!
※そして、かなり長文でマニアックです。

ずーっと気になってたんですが
行政の答弁の切れが悪いんですよ。
まとまったお金のかかる質問のときには、きまって。

国の動向が・・・とか、近隣自治体の状況を見て・・・とか
なんとも日和見的な答弁ばっかりなんです。

行政は、市民から預かった税金を無駄にしないよう
便益とコストを徹底分析して、市民サービスを取捨選択するのが
つとめですから、その徹底分析したプロセスを示して
だめなものはだめっ!と、はっきり答弁すればいいだけ
だと思うんですけど。。。

でも色々調べるうちに、
行政はたいして分析してないんじゃないの?
特に複数年にわたる将来分析とかは・・・。
将来の財政予測とかって、資料自体がない・・・
ってことに気づいてしまいました。
それって、あかんやん!! 徹底分析せな!!
そういう話です。

○「・・・を新設します」、「・・・をタダにします」
  ものすごく市民受けする、景気のいい話だけど
  例えば借金30億円や毎年2億円あまりの歳出増(支払い増)
  って、未来(10~30年後)の負担を、必死で計算した上
   でなきゃ、普通、怖くて言えないですよ。
  例えば家を建てるとき、5年後、10年後、20年後に
  どんなイベントがあって、いくらかかるか、
  その時、ローンの返済が負担にならない?とかって
  必死で計算しませんか?

○市民受けする、景気のいい話をする人たちって、
  今の岩出市の財布だけを見て、借金もすごく少なくて、
  黒字の健全財政だ、お金が余ってるんだったら、
  貯金(へそくり)なんかしないで使え!って言いますけど、
   本当にそうなんでしょうか?

○2030年頃を始まりとして、市役所、岩出小、山崎小、
  根来小、上岩出小、岩出中、市民体育館、公民館等
  の耐用年数(65年として)が切れ始めます。
  (ちなみに耐震補強では耐用年数は、ほぼ延びません)
  さらに下水道の敷設・接続は平成42年(18年後)に
   完成目途で、今後、約40億円の建設事業費が必要
   とされています。
  つまり20年後には、数十億円のお金が必要になることが
  決まっているんです。
 
○だから、景気のいい話をする人たちも
  まず将来のイベントと、そこでかかるお金をきっちり示して
   (もしくは開示要求して)、
   例えば、30億円以上かかるであろう第三中学校の問題なら、
  みんなが将来の状況を共有(覚悟)した上で、
  20年後には岩出中学校の耐用年数が切れるから
  まずは今、将来の負担を前倒しして、第三中学校を新設し、
  20年後、少子化が進んだときには、岩出中を取り壊しましょう
  というふうな議論がせめてもあるべき姿だと思いませんか?
  ※その前に、別記事「子ども達の学習環境を守る突破口」
   で書いたように、第三中学建設自体がイシュー化している
   状況を見直し、根本的なイシューの再設定をすることが必要ですが。。。

○実は行政って、単年度(1年ごとの使い切り)会計なので、
  例えば決算書を見ても、、1年間に入ってきたお金と
  使ったお金の目的と額はわかりますが、その結果どうなったのか
  が分かりにくくなっています。
  また、年度ごとに情報が区切られているため、
  他の年度はどうだったのか分かりません。
  その自治体が現在どれだけの資産を持っていて、
  どれだけの借金を負っているのか。
  収入はどれくらいあるのかなどの情報は、あまりきちんと
  把握されていないのが、現状です。怖い話ですが。。。
  ※一応、財務諸表は平成20年から作成されているんですが
    有形固定資産の評価等は非常に不正確な概算なので、
    意味がありません。

○じゃあ今、何をすれば良いのか?
  先ほど述べたように、将来のイベントと、そこでかかるお金を
  計算し、その情報を共有して、行政も、議員も、
  市民も同じ土俵で議論するべきです。

○曖昧な将来を見える化するために
  ・今ある有形固定資産をきっちり数値化する。
    >建物の耐用年数を一覧化(一元管理)する。
    >耐用年数までの、運用費(維持補修費等) を試算する。
    >建て替えや大型改修にかかる費用を試算する。
    >売却できる、再利用できる市有地を一覧化
  (地図に落とす)し、おおよその価値を試算する。
  ・将来の市民像を数値化する。
    >10~30年後の世代別人口構成を試算する。
      これにより、少子化という曖昧な感覚を、
  数値として確認でき、統廃合等の計画が立てられる。
  ・上記資料と、長期総合計画に示された将来ビジョンをもとに、
    >将来必要なお金を試算する。

○将来見える化のために議員にできること
  行政の方の中にも、将来の負担を把握していないことに
  危機感を持っている有志はたくさんいます。
  ただ、今現在は、職員数が圧倒的に少なく、
  日々の事務をこなすのに精一杯で、経営を企画するような
  (将来を目に見える形にするような)仕事に手を付けられない
  のが現状です。そこで
   ・雇用創出も兼ねて、行政職員の数を増やすという
     政策提言をする
    >首長直属の経営企画チームを作る。
    >縦割りでは複数の部局にまたがる固定資産の把握管理
    は困難。これを機に、組織の大幅な改変をする。
    >窓口業務やルーティーン事務などの一部は、市民
    (特に女性)の雇用創出として、事務職員を雇用する。
   ※しかし人件費というのは、社会保障給付の次に、
        たくさんお金を使っている部分ですので、
        なかなか受け入れられないと思います。

○じゃあ、お金をあまりかけずに、できることは。
  ・有形固定資産の数値化は、厳密にやろうと思ったら
   数百万円かけて、専門家に委託するような仕事ですが、
   行政が持っている資料をフルオープンしてくれれば
   概算は可能だと思います。
  ・また人口構成の試算も、各種データや、都市計画で、今後
   どの位、宅地が増えるのかがわかれば、概算は可能です。
  ・議員は行政が持っているデータを、比較的開示して
   もらいやすい立場ですので、資料の確保は大丈夫でしょう。
  ・これを元に、やる気のある議員がチームを組んで、
   試算すればいいでしょう。
   ・もしくは、市民有志の力をおかりできれば、さらに精度が
    あがるはずです。
  ・この将来の見える化がある程度できれば、将来負担を
   考慮した上での、現在の政策決定を、行政、議員、市民が
   同じ土俵で議論することができます。