白坂です、

 

なぜ電力不足?

「なぜ、毎年のように【電力不足】が
言われるようになったのでしょうか?」
簡単です。


原子力発電を止めたから


2011年の福島原発事故「前」、
日本の発電割合は、

・火力 :6割
・原子力:3割
・水力 :1割

でした。

それで、福島原発事故を境に
日本は原発を止めました。
であれば、常識的に考えて


電力が3割、足りなくなる


というのは、
当たり前の理屈です。

ただ、
日本で利用する電気量を
いきなり3割、減らすということは
現実的ではありません。

結果、
火力の割合を増やすことで
この10年間、何とか
やり繰りして来ています。

ただ、

日本の【政治上】の理由で、
福島原発事故を境に
日本で原発を止めなければならなかった
というのと同じように、

先進国の【政治上】の理由で、
「火力発電の割合を減らすべき」という
脱炭素のもう一つの流れもあります。

火力発電は、
石油・石炭・天然ガスを燃やすことで
二酸化炭素を発生させます。

なので、
国際社会の建前上、火力発電の割合を
増やし続けることは出来ません。

・原子力は止めている。
・火力発電の割合は増やし続けにくい。

となると、
・水力・風力・太陽光、、、など
いわゆる「『再生可能エネルギー』の割合を高めて、
電力を賄う」、、、という考えになります。

ただ、

長期的に、「再生可能エネルギー」の割合が
1割から2割、2割から3割、、、と
高まっていくことは、ほぼ・ほぼ確実な流れですが、
だからと言って、10割全て賄うというのは現実的ではありません。

なぜなら、
水力・風力・太陽光、、、など、
いずれにしても、原子力や火力発電と
同じだけの電力を作ろうとすれば


土地の面積が圧倒的に足りないから


です。

原子力発電は、ウランの核分裂を利用します。
だから、原料であるウランの投入量を
増やせば・増やすだけ、同じ広さの工場で
より大きな電力を作ることも可能です。

また、

火力発電は、石油・石炭・天然ガスを利用します。
だから、原料である石油・石炭・天然ガスの
投入量を増やせば・増やすだけ、同じ広さの工場で
より大きな電力を作ることも可能です。

しかし、

風力・水力・太陽光、、、となると、
そうはいきません。より多くの電力を作ろうとすれば、
それだけ多くの発電場所の建設が必要になります。
つまり、土地が必要になります。

電力消費量の少ない地方の場合、
何にも使っていない空き地も広いので、
大規模な発電所を作ることも可能かもしれませんが、

逆に、
電力消費量の多い都市の場合、
何にも使っていない空き地が少ないので、
大規模な発電所を作ることが出来ません。

また、
風力・水力・太陽光、、、のような
再生可能エネルギーは、発電量が
天気に左右されます。

たとえば、
太陽光発電は雨や曇りの日は発電量が
少なくなりますし、夜は発電が出来ません。

だから、

仮に、1世帯が1太陽光発電の設備を
導入したとしても、1世帯が必要とする
電力全ては賄えません。約8割を賄えたとしても、
2割は、やはり電力会社から買う必要があります。

しかも、
全ての世帯が、自分たちが必要な
電気を太陽光発電で賄おうとすることは
現実的ではありません。

スマホでさえ全世帯が持っているわけでは
ありません。まして、その何倍も大きな金額の
設備投資を全ての家庭がすることは考えられません。

だから、

水力・風力・太陽光、、、などの
再生可能エネルギーの発電割合が、
1割から2割、2割から3割、、、と
高まっていくことは、ほぼ・ほぼ確実な流れ
だったとしても、10割全て賄うということは
現実的ではありません。

もし、
現実的に電力不足を解決しようとすれば、

・火力発電の割合を増やすか?
それとも、
・原子力発電を再稼働させるか?

実際は2択。

そして、
電力不足のそもそもの原因が
原子力発電を止めたことなのであれば、


原子力発電の再稼働が、最も合理的


ということになります。
なぜなら、火力は「脱炭素」という方針に
逆らう解決策なのに対して、原発の再稼働は


「電力供給」と「脱炭素」の両立を図れるから


です。

岸田首相は、
>「今年の冬までに9基の原子力発電を
  再稼働させる」と言明しました。

・現在5基が再稼働中

・残り4基を再稼働させて
 合計9基を再稼働予定

実は、
残り4基は、岸田首相が発表前に、
再稼働が決まっていたものです。

つまり、
参議院選挙後の岸田首相の
決断によるものではなく、
決まった予定を改めて発表したものです。

しかも、
9基の内訳は、「関西電力」「四国電力」「九州電力」の
原子力発電です。つまり、9基全てが西日本。

最も人口が多く、最も電力不足が懸念されている
関東など東日本の原子力発電ではありません。

であれば、

岸田首相の
>「今年の冬までに9基の原子力発電を
  再稼働させる」と言明は、
【物理的】にはほとんど意味がなかったことになりますが、

しかし、


【政治的』には、かなり大きな意味があった


電力不足は、そもそも
【物理的】な原因で起きた課題ではありません。

日本の電力消費量は2007年をピークに
増えていません。あくまで、福島原発問題を
キッカケに、【世論】が「原発」を認めなく
なった【政治的】な原因で起きています。

もし、
【政治的】な原因ではなく【物理的】な原因
だったら、今、広島や長崎には、人が住めて
いません。

なぜなら、
・福島は事故によって放射能が漏れたのに対して、
・広島や長崎は原子爆弾が直接で投下されており、


ウランの半減期は7億年だから


つまり、
広島や長崎には放射能が残っている、はず。
しかし、広島や長崎には、沢山の人が住んでいて、
沢山の観光客が訪れています。であれば、


福島事故の悪影響も、イメージよりも相当に小さかった


原発を許さなかったのは世論。
つまり【政治的】な課題。

だから、

今までだったら、現役の首相が
「原発の再稼働」を堂々と明言することは
あり得ませんでした。

にも関わらず、
今回の岸田首相は、原発の再稼働を明言した。
そして、世論は10年前ほど、猛反発していない。
と言うことは、近い将来、


・東京電力の柏崎刈羽原発

・中部電力の浜岡原発


の再稼働も
すんなり認められやすくなった、、、
ということです。

今までだったら、
言えなかった「原発の再稼働」を
今回は実際に言えて、しかも、
猛反発が起きなかったという


【政治面】での影響が大きかった。


今後30年間、
2050年に向けては、

・再生可能エネルギーの割合が増加
・原子力発電の割合が増加(以前に戻る)
・火力発電の割合が減少

ということが
予想されます。

と言うことで、

「なぜ『電力不足』が
 毎年のように言われるのか?」に対しては、


原子力発電を止めているから


であり、
今後は、原発の順次の再稼働によって、
解決の方向に向かっている、、、とも言えます。

 

なぜ電力不足?

今回は以上です。
本日も文章をお読みくださり感謝しています。
いつも本当にありがとうございます。

白坂慎太郎

 

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