白坂です、


無料プレゼントの受け取りはこちらから
『やる気を引き出すコーチング法』(P141)

 

さて、

 

今回は、興味深い統計結果から、、、
「20代男女の結婚願望の推移 2008年→2015年」

 

20代男性
(1)早く結婚したい(17.4%→12.1% 5.3%減)
(2)いい人が見つかれば結婚したい(42.1%→27.4% 14.7%減)
(3)結婚したくない(11.9%→21.6% 9.7%増)

 

20代女性
(1)早く結婚したい(23.4%→25.5% 2.1%増)
(2)いい人が見つかれば結婚したい(41%→33.3% 7.7%減)
(3)結婚したくない(7.9%→12.9% 5%増)

(国立青少年教育振興機構『若者の結婚観・子育て観等に関する調査』より一部引用)


わずか7年で、ここまで考え方が変わるのですね。
今の20代は、たとえいい人が見つかったとしても、男性で約4割(12.1%+27.4%=39.5%)、女性でも約6割(25.5%+33.3%=58.8%)しか結婚を希望していないということです。

 

そして、はっきりと「結婚したくない」と考えている人は、7年で男性は約倍増しています。5人に1人の20代男性と8人に1人の20代女性は、そもそも結婚を希望していません。なぜなのでしょうか?

 

こういう統計で、よく出てくる理由の第1位は、「経済的な理由」です。
「今の経済状態では結婚は難しい」という理由が1位に出てきます。自分で認識している表面上の理由としては、確かにそうなのかもしれません。今の現状から考えて、「今の収入→1人でやっと→結婚は難しい」という直線的な思考になっているのかもしれません。

 

現に、数十年前から少子化対策に本気で取り組んだフランスは、子供が多い家庭ほど経済的に優遇される制度を整えることで、少子化対策を成功させたという事例があります。

 

なので、結婚すれば経済的に優遇される、そして、子供を増やせば増やすほど、さらに経済的に優遇されるという制度を整えると、もしかしたら結婚する20代、そして、子供を持つ家庭が増えるかもしれません。

 

ただ、これは表面上の理由に対して、表面上の対策を取っているだけ、です。一人一人個人の真の幸福という視点からすると、あまりに浅い理由であり、対策だと言わざるを得ません。なぜなら、結婚は本来、経済的に有利になるためにするものではないからです。むしろ、逆で、お金に全く関係のない豊かな人間関係を創るためにこそ結婚するはずだから、です。

 

家庭の外では、どうしてもお金が関係します。人はお金を得るために働き、その得たお金で何かを買うことで生活しています。仕事にお金が関係し、生活にもお金が関係する。人は生活の中でどうしても利害を考えながら生きています。それで、家庭内の人間関係まで利害で考えるとしたら、どこで心の平安を感じるのでしょう?


損得勘定が働かない幸福な人間関係こそが家庭


1人で居るよりも2人で居た方がより大きな心地よさを感じて、2人よりも3人の方がより大きな精神的な幸福感を得られるからこそ家庭を持つのであって、経済的に厳しいから結婚しないというのも、経済的に有利になるから結婚するというのも、真の幸福とは何か?ということまで突き詰めた考えとは言えません。

 

そして、もし結婚を希望しない理由が本当に経済的な理由だというのであれば、それこそ幻想。今の20代よりも、昔の20代の方が経済的にははるかに厳しかった。高校卒業、または大学卒業したばかりの20代は、基本、経済力はない方が当たり前。

 

だから、狭い部屋で最低限の生活を成り立たせられる家財道具だけ持っているという底辺状態から2人の共同生活を始めるのは常識でした。たとえ親元から離れたことで一時的に生活の質が下がったとしても、2人でより良い生活を底辺から築き上げて行こうとするのが、従来の結婚観でした。

 

今の20代が、「結婚は経済的に厳しい」というのは、親元でやっている生活をただの一度も下げることなく、そのままの状況から結婚生活を始めることを想定しているのかもしれません。確かに、それであれば結婚は厳しいとなりますが、40代・50代の親の経済力を20代の自分に求めるのは、基本、無理があります。

 

さらに幻想があるとすれば、経済力が付いたから結婚するのではなく、結婚するから経済力が付くという真実が見えていないということです。一見、一人暮らしだと時間とお金を自分のために自由に使えるから仮に成功を目指す上で有利なように見えますが、それは幻想です。

 

もちろん、独身の成功者もいるには・いますが独身者の成功者が割合として最も少ないのが真実です。成功者として割合として最も多いのは、結婚をして子供もいる人。

 

理由は簡単で、独身だと成功するための動機が弱いからです。自分1人の生計を成り立たせるだけで良いのであれば、頑張る必要もなければ、大きな責任を引き受ける必要もありません。結婚すれば、自分だけではなく相手の人生への責任が生まれます。頑張る理由が出てきます。まして、子供もできれば尚更です。

 

世のお父さん・お母さんたちが、愛する我が子の写真をスマートフォンの待ち受け画面にしながら日々、仕事を頑張っている。結果、たとえ子供が3人いても、4人いても、世のお父さん・お母さんはちゃんと育てています。

 

独身だと豊かさを受け取る器が1人分、結婚すれば豊かさを受け取る器が2人分、子供が出来ればその分、さらに豊かさを受け取る器が大きくなるので、より豊かになれやすい。それが真実です。

 

なので、仮に「経済的な理由が原因で結婚を希望しない」が表面上で本当の理由だったとしても、それは問題の本質ではありません。結婚は、そもそも経済的に有利になるためにするものではありませんし、経済状態が結婚に影響があるならば、昔の人たちの方がもっと結婚をしていなかったはず。

 

では、

真の理由は何なのでしょうか?なぜ、今の20代は結婚を希望しないのでしょうか?その理由は、


平和になったから


「結婚をしたい!」というのは欲です。欲というのは満たされていないと感じる時にこそ強く感じる衝動。一番分かりやすいのは、食欲でしょう。「美味しいご飯を食べたい!」と強く感じるのは、お腹が空いている時。もし、お腹の状態が満たされているならば、それほど強い食欲は感じません。

 

欲というのは満たされていないと感じる時にこそ強く感じます。逆に、満たされているならばあまり感じません。そうすると、今の20代は、親元での生活や1人での生活で、既に満たされているわけです。だから、「結婚したい!」という欲求が弱くなっているわけです。

 

人生の目的というのは、100人居れば100通りあるのかもしれません。しかし、全員に共通の目的というのは2つしかありません。すなわち、「長生きしたい」と「子孫を残したい」の2つです。共通するのは2つだけです。

 

もし、「長生きしたい」という目的に危機を感じると、人はもう1つの目的を一生懸命に果たそうとします。すなわち、長生きできないかもしれない自分の代わりに、子孫を何とか残そうとするのです。

 

例えば、日本は1941年(昭和16年)から1945年(昭和20年)まで太平洋戦争をしていました。戦争中でしたから生活が最も厳しかったはずですが、実際、この頃はたくさん子どもが生まれています。それは、自分が長く生きることへの保証がなかったために、子孫を1人でも多く残そうとする本能が働いたからです。

 

そして、日本で最も人口が多くなったのは、現在67歳から69歳のいわゆる団塊世代です。1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)生まれの人が、日本で最も人口の多い層です。その後1年当たりで生まれてくる子どもの数は、緩やかに減少していきます。なぜなら


平和になっていったから


自分が長く生きることができる可能性が年々上昇していきました。自分の長生きに対しての危機があると子孫を残したいという本能が高まりますが、しかし、自分が長く生きられるようになればなるほど、子孫を残したいという本能は弱まります。むしろ、長く生きる自分の人生をどのようにするかという方向へ思考が移っていきます。

 

だから、平和になればなるほど、自分が長く生きられる可能性が高くなり、子孫を残すことよりも、長く生きる自分の人生をどのようにするかに興味関心が高くなる。これが結婚願望が低下している真の原因です。だから、結婚願望が低下しているというのは良いことでもあるわけです。それだけ平和で、長寿の世の中が実現したということの裏返しでもあるから、です。

 

この統計結果から、親としての子育てにおける目標を持つことの重要性を再認識させられます。すなわち、子どもを「いつ自立させるか?」という目標です。

 

具体的に、22歳なら22歳、18歳なら18歳で「この子は一人暮らしをさせて自立させる」という明確な目標を親の方が持っていないと、子どもは親元での居心地のいい空間を自分から出ようとはしないでしょう。これだけ平和な世の中で、子どもに自発的な危機感を持たせるのは極めて難しいからです。

 

もちろん、一人暮らしをして自立した子どもが、自らの選択で結婚しないという選択をすることもあるでしょう。それは・それで良いわけです。親と子は別人格であり、子には子の選択の自由がありますから。

 

ただ、親元に居て居心地の良い環境だから特段結婚願望がないというのは、そもそも本人に選択の自由がありません。居心地の良い環境であれば出たくない、変わりたくないというのは人間として当然ですから、本人が主体的に選んでいるとは言えないからです。

 

子どもが自ら人生を主体的に選べる環境に置く。そのために、子どもに一人暮らしをさせて自立させる。それを22歳なら22歳、18歳なら18歳と親の方が子育て上における明確な目標を設定しておいて、その目標に向けて子育てをしていくことが大事です。

 

完全な状況が整ったら子どもを自立させるというのであれば、子どもはいつまで経っても自立しようとしないでしょう。80歳を超えた親が50歳を超えた子どもを経済的に援助しているなんていう例も、決して珍しくはない世の中ですから。

 

だから、子どもを自立させるならば早ければ早い方がいい。24歳よりは22歳が、22歳よりは18歳の方がいい。いろいろな体験をさせるならば、記憶が軽くエネルギーが大きい若いうちの方が飛躍しやすいので。

 

結婚願望がないというのは平和な世の中の実現の裏返しであったとしても、一人一人の個人は、何らかの正当な危機感の元、自分の人生を主体的に選んでいく。たとえ、同じ結婚願望がないにしても、「何となく結婚したいと思わない」だと一生一回の人生においてあまりに考え方が消極的。

 

「自分の理想の人生は自分が自由に生きること。だから結婚を希望しない」と主体的に選んでこそ人生は充実していく。

 

また、

 

自由に生きるというのは自分の人生に責任を持つということであり、正当な危機感を感じながら生きることにもなるので、「自分にとって理想の人生とは?」と、より真剣に人生を考える機会も増えていくでしょう。いずれにしても、親は子育ての目標を
明確に設定した上で、子育てをしていくことが大切です。


一生一回。どのような選択をしても、その選択に責任を持って生きること


親は子どもが自立するまでは責任を持ち、子どもは自立した後は自分の人生に責任を持つ。100%自由に生きたいのであれば、100%自己責任という態度で生きる。
そのためには、しっかりと明確な目標を設定すること。その目標達成のために今日出来ることを実際に今日すること。それを続けていけば、


一人一人が考える「理想の人生」を自らの意思で創っていくことが出来ます



最後お読みくださり、感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

白坂慎太郎

 

参考教材:

『低欲望社会』

 

無料プレゼントの受け取りはこちらから
『やる気を引き出すコーチング法』(P141)