アメリカンアイドルというTV番組が好きで、始まって2年目からずっと視聴している。
15歳から28歳までの年齢制限だけで、一般公募のオーディション番組なので驚くほどヘタッピから、
呆れるほどウマイ人まで、1シーズンで何十万人かがチャレンジしてくる。
今年は12年目で、初回視聴者数は1790万人で過去最低のスタートだったとのことだけれど、
それでも、夢のような数字である。
審査員は全国のオーディション会場全てに行って、全ての応募者のアカペラの生歌を聴く・・というか聴かねばならないw
数か月かけて絞りこまれた応募者がTVで放映される段階になると、ここからはお茶の間からの投票でどこまで残れるかが勝負になってくるシステムである。

番組について語ると長くなるので、さわりだけにするが、ふと去年の優勝者のフィリップ・フィリップス=Phillip Phillipsが気になってネット検索したところ、
FC2「ゆとびっちの忘備録」というブログでフィリップがギター1本で国歌を歌っているのを紹介した素敵な記事に出会えた。




ヤルキなさ気な、独特の気だるい雰囲気の歌い出しから、徐々に張りつめていってポルタメントで最後の高音に持って行く面白い歌唱を聴きつつ、
アメリカ人て国歌好きだなあと改めて思った。
とにかく何かと言えば必ず国歌の Star-Spangled Banner を歌う。
国際大会や野球やサッカーなど大きな会場でやるものに限らず、スポーツ全般はもちろんのこと、
ちょっとした集まりでも誰か選ばれた人がでてきて、ア・カペラで歌い出し、途中からは会場も唱和する。
以前、テキサスでロデオを見に行ったとき、国歌から始まり、アメージンググレイスで終わる流れでえんえん6時間のロデオショーを観た。
聞けば、そのロデオショーは近隣の人はけっこう毎週のように観にくるものらしく、という事は毎週必ず国歌も歌っているわけで、
学校の卒業式で君が代を歌うことにさえ反対を唱える人がいる我が国とはだいぶ違う。

アメリカ人にとってアメリカ合衆国国歌はなくてはならない大事なモノらしい。
アメリカ国歌Star-Spangled Banner
リリック http://www.tt.em-net.ne.jp/~taihaku/geography/database/anthemusa.html


ちょっと話を戻すと、アメリカンアイドルは審査員も魅力の一つなのだけれど、今年はマライヤ・キャリーが大看板で審査員の仲間入りをした。
そのマライヤのデビューは1990年だから、もう20年以上トップシンガーで活躍しているわけだけれど、
マライヤが最初に・・多分この後紹介する映像がマライヤが公の場で歌った第二の国歌が最初に紹介された映像かと思うが、
とにかく凄い。

まあ、アメリカは建国が1776年7月4日だからまだ2世紀ちょっとしか歴史がないわけで、
紀元前660年に建国の日本とはだいぶ趣が違って当然なのかな・・
まだまだ建国という言葉で熱い心が沸き立つアメリカ人と、建国記念日は祝日としか感じない(私だけ?)日本人との温度差が国歌斉唱にも表れている気がする。



普通のパッとしないファッションのスリムで無名な女の子のマライヤが登場してきて、歌いだす。
例によってザワついている会場が、その歌唱力で静まるというごくごく珍しい映像である。
アメリカ人が競技場でシーーンとするなんていうのはまず滅多にお目にかかれないから、その点でもマライヤの凄まじさが伝わってきて興味深い。



歌い終わった時、聴いていた選手や観客が「誰?コノコ?」みたいにワサワサなっているのが我が事のように誇らしく思えてしまう。
マライヤ・キャリー=Mariah Careyって凄いんだなあ・・やっぱり。
ちなみに第二の国歌 America the Beautiful は歌詞が長い。
http://kids.niehs.nih.gov/games/songs/patriotic/americamp3.htm

ついでにマライヤのStar-Spangled Bannerはこちら。




マライヤ以上にうまい!!と思った唯一の歌唱はホイットニー・ヒューストン=Whitney Houston
絶頂期の華やかで堂々たる歌唱に圧倒される。



この素晴らしい歌姫がよもやあんな逝き方をしようとは、誰一人予想だにできなかった頃の映像である。


さて、最後に、一番お気に入りのアメリカ国歌演奏を貼っておこう。
日系ウクレレ奏者としてハワイから世界に羽ばたく活躍をしているジェイク・シマブクロ=Jake Shimabukuro
ウクレレ1本でここまで歌い上げられることに聴くたび感動してしまう。

ジェイクは311の後、ハワイで何度も寄付を募ってチャリティーイベントを開催し、日本への熱い心を届けてくれている。
彼に日本人の血が流れていることを誇りに感じる。
アメリカ国民でなくても胸打たれてしまうアメリカ国歌は、独立の心を表明する意志によってつくられた曲だからこそ
褪せることなく輝き響き続けている。

日本人の君が代への思いに危惧を感じ比較することはさておき、とりあえず今は、ジェイクの国歌演奏に酔いしれよう。





$夢の間に間に