長野県下伊那郡阿智村に

タングステンを採掘していた?

もしくは採掘のための試掘跡?

と言われている春日鉱山があります。

 

別名を春日山鉱山ともいい、

春日山の山中にあることから

そのように言われているようです。

 

ネット上でも情報はあるし、

論文では地図も載っているために

およその場所をプロットしてから

現地へ向かいました。

産地情報はあるし地図もある。

これは現地まで楽勝だ~

と思っていたら、、、

 

地図に記載されている場所には

それらしきものが見当たらない。

それより周辺岩石を見ても

雰囲気さえも感じられない。

地図を何度見返しても

立っている場所に

間違いないようでした。

 

これはおかしいぞ、、、

 

さて、本格的探査の始まりです。

まずは落ちている岩石と地形と

話で聞いた周辺の雰囲気と、

あらゆる手持ちの情報より

可能性の高い場所を考えました。

 

尾根に登り返して再び谷に降り立ち、

沢沿いを遡上して向かいました。

ここまで来たら何としてでも見つけたい。

自分の感を信じて、そこがポイントなのか

はっきりとした根拠もないけれど、

滝のような汗を流しながら

向かったのでした。

 

すると、ビンゴ!

目的地に到着しました。

そこは鉱山というよりも試掘跡でした。

 

 

露頭をみるとスカルンらしき

雰囲気を感じられます。

 

 

タングステンを目的としていた

鉱山なので、持参したミネラライトで

少し薄暗い場所を照射しました。

すると青い光が確認できました。

まさしく主要鉱石であった灰重石です。

 

 

露頭の石はとても硬かった。

いくつかサンプルを採って

帰ることにしました。

 

帰宅してから石を洗って

どんなものが採れているのか

観察です。

 

照りが強くて綺麗なザクロ石が採れました。

成分的には灰鉄ザクロと灰バンザクロが

混在しているようです。

多いのは灰バンザクロ石とのこと。

昔は大きなものも採れたようだけど

今は小さなものばかりです。

 

 

 

採掘目的でもあった

タングステン鉱石の灰重石です。

ミネラライトで照射してみると

美しい蛍光が観察できます。

 

 

上の画像の標本に↑

ミネラライトを照射したものです↓

 

 

細かい灰重石の含まれる

母岩を蛍光させてみると

まるで星のようです。

 

 

珪灰石もありました。

これも蛍光させると

黄色く蛍光して綺麗でした。

 

 

 

スカルンを構成する中で

最も多くみられたのは灰鉄輝石でした。

よく見ると頭付きもあるんだけど、

う~ん、、、

 

 

これはたぶん透輝石だと思います。

すごく小さいのでかなり拡大してます。

もし間違っていたら教えてください。