有志の中堅・若手議員で構成する『歯科口腔医療勉強会』(顧問:岸信夫衆議院議員、座長:山田宏参議院議員)の第7回勉強会に日本歯科衛生士連盟の廣石マサ子会長様はじめ役員の皆様をお招きし、意見交換会を開催いたしました。

過去6回は、主に日本歯科医師連盟の皆様から歯科口腔医療に関する様々な課題を承ってまいりましたが、本日は川野副会長様もご臨席のもと、治療の現場で「チーム医療」の一翼を担われる歯科衛生士の皆様からお話を伺いました。

来年度予算や制度全般に関わる課題として、

1.国民の生涯を通じた歯科口腔保健対策の充実

2.安心・安全な歯科医療提供体制の推進

3.地域包括ケアシステム推進のための歯科衛生士の人材育成

4.介護予防における口腔機能向上の推進、介護保険施設における歯科衛生士の

    活用促進

5.歯科衛生士の人材確保・復興支援等に関する総合的な施策の推進

6.厚生労働省医政局歯科保険課への歯科衛生士配置

などを中心に政策に関するご要請を賜りましたが、意見交換も弾み忌憚のないご意見を伺う中で、いったん離職された歯科衛生士さんの復職に関するお話になりました。求人倍率は30倍と言っても過言ではないほど人手不足とのことで、歯科医師でもある参加議員からは、「求人を出してもなかなかきていただけない」との発言がある一方、歯科衛生士連盟の皆様からは、働きたい歯科衛生士は多いのに、患者さんがピークとなる時間帯と家庭を持つ歯科衛生士が働ける勤務時間のミスマッチがネックになっているとのご意見をいただきました。

12月6日には『歯科口腔医療勉強会』より加藤勝信厚生労働大臣に医療・介護同時改定に関する要望書を提出しました。要望項目は、

1.歯科の技術料の保険評価の引き上げと初・再診料格差の是正をはかること

2.デイサービスでの訪問歯科診療を認めること

3.義歯の6ヶ月規制を撤廃すること

4.歯科衛生業務に対する評価の引き上げ

の4点ですが、いずれも『骨太方針2017』の趣旨を具体化するつもりです。

歯科衛生士のニーズが高まっているのに歯科医療機関での歯科衛生士の配置状況は常勤で65%と低く、人材確保や復職支援への対応のひとつとして「訪問歯科衛生指導料」の評価の引き上げを求めました。

介護施設においては、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言および指導を月一回以上行っている場合、口腔衛生管理体制加算(30単位/月)が取得できます。口腔衛生管理加算(110単位/月)もあります。こうした加算が取れる環境を作ることが急務です。

歯や口腔の健康は、生き生きとした毎日を送る基本です。わが国が長寿社会となるにつれ、歯科衛生士の仕事はますます重要なものになっていきます。歯や口腔の健康づくりの専門家として国家資格を持つ歯科衛生士の皆様が、生涯にわたって活躍の場を増やしていけますよう、一歩一歩制度の改善に取り組んでまいります。