名古屋で開催された
「日本遺伝性腫瘍学会」に、
特別講演の講師として参加しました
がんの一部には、「がんになりやすい体質」を親から受け継いでしまう“遺伝性のがん”があります
おそらく皆さんご存じでしょう
ハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリーさんは、遺伝性がんの原因となる遺伝子変異を親から受け継いだため、がんを発症していない段階で「乳房の予防的手術」を選択しました
その後、卵巣がんのリスクも高いことから、卵巣と卵管の予防的手術も行いました
そういった患者さんやそのご家族を診る医師たちの学会が「日本遺伝性腫瘍学会」です
そこで講演を行わせていただきました
私のリンパ腫は遺伝性のがんではありませんが、そのことについては少し知っています
というのも、私は先月発売された下山進氏の遺伝性がんのこれまでを取材したノンフィクション
『命を選ぶ』
の書評を書いているのです
これは、親からがんになりやすい体質を受け継いでしまった女性が、子どもを産みたいと思ったときに
「子どもに遺伝させない医療があるにもかかわらず、その医療を受けられない実態」
を変えようと、長期にわたって声を上げ続けた活動と、医学界の内幕に迫ったノンフィクションです
非常に強い感銘を受けました
アンジェリーナ・ジョリーさんのケースは、自分が受け継いでしまった遺伝子変異(体質)に対する予防医療でした
一方で、遺伝子の変異を受け継いでしまった人は
「子どもにもがんになりやすい体質を遺伝させてしまう可能性がある」リスクを抱えています
子どもを産めば、全て遺伝すると言うわけではなく、遺伝したとしても、がんが必ず発症するわけでもありません
しかし、そうした状況を抱えた人、ご家族のストレスや不安は大変なものだと思います
この本に登場する方々は
名前と顔を世の中に公表して、自分や仲間のために医学界の状況を少しでも変えようと活動してきた人たちです
その葛藤と闘いを収めた本は、大変ドラマチックで心震える実話でした
中には、お子さんが自分と同じ体質を持って生まれてきてしまった方もいて、この学会でも、発表やシンポジウムに参加されていました
そして、今回、この本「命を選ぶ」に登場する、重い医学会の扉を開いた3人の女性(遺伝性がん患者さん)にお会いすることができたのです
左から、太宰牧子さん、木瀬真紀さん、野口麻衣子さん
感動してしまいました
学会の会場では、患者会や家族会の皆さんのブースも設けられていて、皆さん歓迎してくださいました
ブースでは、医師、看護師、認定遺伝カウンセラーの皆さんもサポートされていました
遺伝性腫瘍(がん)は、自分だけの問題ではありません
子どもが受け継いでしまうリスクも抱えています
そうした中で、患者会や家族会を実名で運営していく皆さんのパワー、そしてその明るさに、どれだけ仲間の皆さんが励まされているかということを痛感しました
下山氏の本に登場する3人の女性も、実はめちゃくちゃ明るくパワフルで、楽しい方たちでした
こういう当事者たちが医療の世界を変えてきたんだなと、しみじみ…
とても良い体験をさせていただいた日本遺伝性腫瘍学会でした
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