「ご注文はこちらでよろしかったでしょうか」や、
「お預かりは千円でよろしかったでしょうか」は、
なぜ『かった』なのでしょうか。
と、テレビ朝日の黒田徹也さんに言われ、またもや考えてみました。
ほんとだったら、「よろしゅうございますか?」
または、「よろしいでしょうか?」
と言うところなのでしょう。
しかし、口に出してみると、
「よろしゅうございますか?」
ってとっても言いにくい気が。
落ち着いた大人の人だとオッケーなんでしょうが、バイトの人には難しい。
同じく、「よろしいでしょうか」も、やっぱ言いにくいのかも。
「よろしい」
って口に出すの、言ってるだけでも自分が偉ぶってるみたいで、抵抗あるのかも。
だったら、「よろしい」は「いい」でも間違いではないから、
「~いいですか?」でも「いいでしょうか?」でも良さそうなものですが、
しかし、これがなかなか、言い方によっては冷たく聞こえるんですよね…
歯をむく「い」の音が二つつながってるからかもね。
さて、ではなぜ「かった」と過去形なのでしょう。
考察一。
「早くこの話終わって欲しいんだけど」という気持ちが、つい終わった表現にしてしまうのではないか。
「よろしかったでしょうか」と言われてしまうと、
「ああなんか、これでいいんだよね?ね?って言われてる気がする…」
って思って、その場ではろくにチェックもせずに、
つい「はい」って言ってしまいませんか?
で、あとから、あ、やっぱ違うや、と思って、別の店員さん探したり。
そう、この言い方ってやっぱし、「後からいろいろ言わないでね」って意味が入ってしまうんですよね、過去形だから。
と考えると、あんまりバイト的には良い表現じゃないかも。
多少は、「丁寧に言おう」という人が使っているんだとは思うんですが。
考察二。
こっちは笑ってもらってもいいんですけど、英語って過去形使った疑問形が丁寧語になってますよね。
Would you~?とかCould you~?とかさ。
あれが日本語にも入り込んで来てんじゃないか?
というのは、半疑問形がすごい勢いで普及しだしたとき、古田新太が、
「ニューヨークの若いの、今みーんなあんなしゃべり方だよ」
と教えてくれたことがあったからです。
というわけです、黒田さん。いかが?