「きつねうどんになります」

という日本語のことは「バイト語」としてよく話題になりますが、

なんでそういう言い方になってしまうのか考えてみました。


「きつねうどんです」

だけで料理を出すと、

「え~これが?」

「きつねうどんですけど…」

「アゲ小さーい。あと、こないだの店ではこれこれこういう具も入ってた」

「私バイトなので、そんなこと言われましても…」


となるかもしれない。

なので最初っから、


「この店では、これがきつねうどんってことに『なって』ますんで、バイトの私のこと責めないで下さいね」


という気持ちが、


「~になります」


と言わせているのではないだろうか。


先日、ある仕事の依頼があって、企画書を読んだところ、ギャラが書いてないので、

「ギャラ書いてないけど、いくらですか」

と聞いたところ、

「ちょっとお待ち下さい」

とややあってから、

「みなさん一律○○円でやっていただいてます」

と言われました。


だったらなぜそう書かないの?

それは、みんなこの額でやってるから文句言わないでってこと?


という二つの考えが頭をよぎったが、

この人も

「え~、安い」

と言われたり、

または安いと思った人からあっさり断られるのが怖くてこうなってしまったのだろうか。


私は安いとは思わなかったが、

この会話は頭の中になんとなく残ったのでした。


最初からギャラを書くか、

「些少ですがこの仕事の予算上、この額でして…」

と優しく言ってくれるか、

どっちかの方が良かったなあ。


バイトの人も、最初っから責任逃れトークをしないで、

「きつねうどんお待たせしました(にっこり)」

の方が、仕事は結局うまくいくと思うがなあ。


しかしもう「~になります」にはだいぶ慣れてしまいました。

最近慣れないと思うのは、

「きつねうどん失礼いたします」

ってやつです。

もうそれ、なんだか、別世界。