授業や会議の時、隣の人とヒソヒソ話をしていたら、意外にもみんなに聞かれていた。そういうことはたまにあります。

人間の普通の話し声は、自分で思っているよりもよく通るのかもしれません。

 

そういう面では、特別に声明の発声方法など書かなくてもいいと思うのです。普通の話し声の延長なのですから。

 

だけど、響きのある先生、先輩の声明の声を聞くと特別な発声方法があるのではないか、声明だけでなく能の謡いやオペラ歌手の豊かな響きを聞くと特別な発声方法がありそうだと思い、いつの間にか自分で変な癖を作ってしまったりします。

 

私も、先生について教わる中で、(先生のすごいところは、人の癖をそのままマネして、教え、直してくれることですが)、だいぶ直されました。

 

先生につくまでは、下っ腹に力を入れるんだ、1度は声を潰すんだなどと言われ続け、首や喉に喉に力が入った押しつぶされそうな声だったと思います。

次は、口の中で響かせようとしていたようで、それもよくないと言われました。その癖はなかなか抜けなくて随分長いこと注意されました。

 

それで何がいいのかというと、息苦しさを感じさせない素直な声が良いそうです。そのためには喉を開いて、ということですが、口蓋垂を上げて空間を広くするそうです。そして舌には力を入れないようにします。

文字の説明では分かりにくいのですが動かすことのできない上顎を動かすイメージかな。それと口を縦方向に言葉が不明瞭にならない程度に開けます。

 

それが基本形だそうです。その上で、先生方の口伝によって天台声明に近い声、真言声明に近い声など響かせ方に違いがあるそうです。口伝の世界ですが、基本形は素直な声ということです。

 

クセというのは、自分では気づかないもので、時々講習を受けないといけません。