是枝裕和監督の映画『ベイビーブローカー』観てきました。


今、観てよかったと思いました。


人が人を産み、育てるということ。


望まない出産もやむ終えない事情の出産もあるでしょう。それでも生まれ出た人は、愛を乞い、自分の生まれた意味や意義を求め続ける。


それを身をもって知っているから。


子どもを、捨てる、捨てられない。


すごく切迫した問題を抱えた、その時限りの家族


それなのに、どうしょうもないくらい愛おしい、しあわせなときがあって。


腹の底から笑えるときがある。


是枝監督の描く、このときが好きです。


だれにもある、そのとき。

ひどく悲しい場面で、つらいときに、かけがえのない愛おしい一瞬。それが作り出せるから…人っていいなと思う。


動けない年寄りと生きていると、ぎりぎりの思いになることもある。それでも、生きていること、

意義とか意味とか明確に述べられなくても、笑えるしあわせなときがあるはず。

そのときがあればやっていける。


見せてもらいました。


泣けちゃうような美しいとき。


きっと、わたしたちにも見えると、確信しました。