買い物帰り、ふと立ち寄った公園のベンチに青いなわとびの忘れもの。
童話『きいろいばけつ』を思い出す。
くまのこは青いばけつ、うさぎのこは赤だったか、ほかの子は、すてきなばけつを持っているのに、きつねのこだけは、持っていなかった。
ある日、広場に、黄色いバケツが落ちていた。誰かの忘れ物であろう。きつねのこがみつける。
そして、くまのことうさぎのこが、持ち主が現れなかったら、きつねのこがもらえばいいと言う。
どれくらいたてばいい?ときつねのこが問うと、一週間ということになる。
その日から、毎日きつねのこは、黄色いバケツを見に来る。そして、黄色いバケツが自分のものになったときのあれこれを思う。6日間、黄色いばけつはそのまま。
ついにいよいよ7日目がやってきて見に行くと…
黄色いばけつは、なくなっていた。
でも、きつねのこは、この1週間、あのきいろいばけつは自分のものだったなと思うのだ。
物語が心の中にあるっていいなって思う。
こんなふうに散りゆく桜の木の下で、きつねのこの気持ちを思うことができるから。
やっぱり、本を読むっていいよと、子どもたちに伝えていきたいな。