刑法は以前当ブログで、犯罪を減少させることを目的とする学問であると述べさせて頂きましたが、そこにはある種のジレンマがあると思います。

例えば、今まで犯罪として刑法で禁止されていなかった行為があり、それが後に悪辣な行為であると認定され、処罰内容と共に新法として法定化されたとする。すると、その犯罪行為によって逮捕され、処罰される者が発生し犯罪は増加するだろう。

つまり被害者達を守り、救うために刑法で新たに犯罪を法定化する行為が犯罪を増やすのである。


逆に、今まで犯罪とされていた行為が刑法で禁止されなくなれば、その行為で逮捕され、処罰される者も発生することなく犯罪は減少する。


では、刑法で犯罪行為とされている行為を全て合法化したら犯罪は全てなくなり平和な世界となり得るのか?

答えは否。恐らく極悪人だらけのめちゃくちゃな世界となってしまうだろう。



この上記の2つの例えは、「刑法のジレンマ」だと言えるが、以前に上げた刑法の最終目的についての考えに補足を付けて説明すると、現在合法とされている未来の違法行為によって苦しめられている被害者を救うことも非常に重要なことであると思うのである。






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