以前「再犯率と更生率」という題で当ブログに投稿をしたのは記憶に新しいが、ここではこれをもっと掘り下げて解説していきたいと思う。



犯罪を減らす上では、よく「再犯を抑えること」が重要と言われ、これは古くから唱えられてきた主張であり、私自身も強く共感する。

しかし、これは聞こえ方の問題かもしれないが、皆さんがよく言うように「再犯を抑えることが犯罪を減らす」と思考するのではなく、「犯罪者を多く更生させることが犯罪を減らす」と思考するべきではないかと思うのである。

この2つの主張はコインの裏表のように言い方が違うだけで全く同じ目的を目指しているが、前者はどちらかと言うと後ろ向きな印象を与え、犯罪者に対する軽蔑的な感情を感じさせる。逆に後者は前向きな印象を与え、犯罪者に対する軽蔑的な感情は微塵も感じさせない。

再犯を抑える上では、犯罪者の更生率を高めなければならない。そして、その目的のためには犯罪者を社会から突き離すのではなく、共に寄り添い、どうしたらこの人達が更生できるのかを共に考えなくてはならない。

再犯率を抑える方法となると、なかなか答えが浮かびにくいが、そこには差別的な感情が働いているからではないのか?

私は犯罪者を差別的に扱う感情の中に「真の更生」は生まれないと思う。人は誰でも過ちを犯す。しかし、そこから何度でも立ち直ることができる。

この発想の転換をすれば、犯罪者更生への道、方法は自然と見えてくるのである。







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