いよいよ明後日、
母方の祖父の人生展を開く。
祖父はいたって普通の人で、
経歴も普通、偉業もない。
でも、ついに米寿を迎える。
88年間の生き様がそこにある。
タレントのさんまがよく言う言葉、
「生きているだけで丸儲け!」
これは祖父を見ていると
ホントにそうなんだなと思う。
そんな祖父に日頃の感謝と
米寿のお祝いの気持ちを込めて
人生展を企画した。
名前が筒井敏夫なので
「筒井敏夫展」だ。
街の一等地のギャラリーを使う。
お客さんはもちろん親族。
地方からわざわざ
見に来てくれる。
これは大切なチャンスなのだ。
身内でも年寄りと疎遠になると
次会うのは葬式に
なってしまうことがたたある。
そんな残念なことはない。
そこで人生展を開くことで
親戚が集まるきっかけを
つくったのだ。
みんな意外に楽しみに
してくれているようだ。
仕事を休んで来てくれる
親戚もいる。
ここ数日、
祖父宅の納屋にこもって
素材を物色しつつ
本人にインタビューした。
祖父は私のことを
生まれた頃から
よく知ってくれているが、
私は祖父のことを
あまり知らなかった。
インタビューする度に
興味深い話がたくさん聞ける。
祖父は終戦を満州で迎え、
そのままシベリアに連れていかれ
二年間抑留されていた。
簡単に言うと捕虜だ。
抑留生活については
ついこの前のことのように
話しが進む。
その他にも就職や結婚、
引っ越しや家族など
時代背景も考えながら
じっくり話を聞いた。
明後日の人生展は
納屋から発掘した写真を
パソコンで加工しつつパネルにする。
そしてインタビューした内容を
年表にして時代背景と
共に展示する予定だ。
曾祖母が書いた詩を
額に入れて大切にしていたり、
抑留生活に対する労いで
首相からの賞状と銀杯もある。
会場には昭和初期の音楽を流し
スライドショーも上映する。
納屋に1930年の雑誌もあった。
そもそも本人が立ち会う
人生展だから
本人に話も聞ける(笑)
なかなか他にはない
お祝いの企画だと
開く側の家族も気合い十分!
とても楽しみだ。
他人が見てもピンとこないが
家族だからこそ
開きたい「祖父の人生展」
喜んでもらえるか。