恐れられるリーダーと慕われるリーダーとどちらが有利でしょうか

この質問をすると、「慕われるリーダーです、」と答える人が意外にいます。かつての僕もそうでした。

しかし、どちらを選ばないといけない時は、恐れられるリーダーの方が得だということがわかっています。

何故なら、恐れられるリーダーは「恐怖からの安心」(FTR法)※1を使うことができるからです。

恐れられる人がふと見せるユーモアや共感は相手を「恐怖から解放」させ、こちらの要求を飲ませる隙を作り出します。

逆に言えば、慕われる人は恐怖を演出できないので、人の心を動かすための交渉の武器が1つ使えない状態となります。

また、会話の主導権を握りたい場合に、感情表現と話している内容を不一致になるよう仕掛けると、相手は不安感によってその場のコントロールがうまくできず、主導権を渡してしまう。

結果的に、交渉の主導権を握ることができ、成功率を上げることが出来ることが分かっています。

僕自身が職場のリーダーを考えてみても、これらのテクニックをうまく使っている方が多いように見受けます。プライベートでは感情と会話の内容が一致しているんですが、交渉場面やミーティングで部下に諭すような場面ではそうではないんです。

話している内容だけ聞くと人間扱いしてません。でも顔は笑っているんです。恐いです。

普段の仕事でも、話をしている時にこちらを見ているので興味があるのかなと思ったら大事な部分で視線を外らしていたり、逆に視線を外らすことなくジッと見続けてたり。

何も知らず真面目な方※2がこれをやられた場合は鬱、続くと統合失調症になる可能性があります。

不自然な感情表現を受けた場合はテクニックを使われている、もしくは相手の感情がわからない人(サイコパス※3)かも知れないと疑ってみても良いかも知れません。

ちなみに、僕がこのような対応を受ける場合、最後は相手から要求がある訳ですから、それを警戒して話を聞くようにしています。

心理的なテクニックを受けているわけですからすぐに要求には乗らないことが良いでしょう。3日以内に返事をします、など一旦考える時間を置くと良いかも知れません。

しかし、本当の事をいえば、リーダーがどんな人かとか関係なく、組織に仕組みがあって、誰がリーダーになっても利益が上がる組織が良いと思います。

お詳しい方いたら補足をお願いします。(以上)

※1 FTR法
「恐怖からの安心」(Fear-Then-Relief)の頭文字をとったもの。ポーランドのオポーレ大学の研究チームが提唱。通行人に「すいません」と声をかけてアンケートをお願いした場合と、通行人を物陰に隠れた仕掛け人が警笛を鳴らし、鳴り響いた後に別メンバーがアンケートをお願いした場合では、後者の場合が前者の2.5倍の確率でアンケートに答えて貰えた。つまり、受けたストレス、怖さから解放された安心感で、面倒な頼み事を引き受けてしまうこと。

※2 真面目な方
この場合の真面目とは、見た目と話の内容のギャップに違和感を感じているが、相手が上長だからと何も言い返せない人です。

※3 サイコパス
本質的な原因は脳の特性が指摘されている。扁桃体(不安を感じ取る部位)が小さく、セロトニンやドパミンが過剰。親の育て方など論じられることがあるが、そうした二次性要素は乏しい。生まれながらにサイコパスなのである。病気ではなく、人格傾向、気質であって医療の対象ではない。サイコパスかどうかを判断するためのチェックリスト(PCL)が存在する。

※参考文献
・超影響力/DaiGo/祥伝社/2021年2月10日発行
・教養としての精神医学/松崎朝樹/KADOKAWA/2023年1月26日発行